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日銀が抱える「3つの爆弾」

「株価4万円超え」に沸く日本株市場が一気に崩壊するかもしれない…日銀が抱える「3つの爆弾」(荻原 博子) | マネー現代 | 講談社

日経平均4万円乗せは、経済にとって明るい話題だが、この一見好調に見える株価の上昇の先には、大きな「日銀リスク」が待ち構えている。しかも、それは1つではなく、大別して3つのリスクがある。

3つの「日銀リスク」とは、日銀の金融緩和の停止による「金利リスク」「為替リスク」「株価リスク」だ。この3つのリスクは、今後の株価上昇を阻む大きな「爆弾」となりそうだ。

まず、1つ目の「金利リスク」から見てみよう。

黒田総裁退任後に総裁に就任した植田和男総裁は、先の日銀政策決定会合でついに「マイナス金利」を解除した。同時に長期金利を低く抑え込むための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)や、上場投資信託ETF)などリスク資産の買い入れ終了も決めた。

既にこれらに関しては、メディアを通じてリークされていたこともあり、株式市場で大きな下落はなかったが、それで金利リスクがなくなったわけではない。

だが、市場関係者は誰もが、その先に「ゼロ金利解除」があり、今まで10年以上続いた「金利のない世界」がなくなることを連想する。

株式市場は、この金利の上昇を嫌う。金利負担が重くなると、企業や投資家の投資意欲が抑制され、株式市場が好むバブルが潰されてしまうからだ。

日銀は、「金利のない世界」から「金利がある世界」への正常化を目指しているが、2年間だけだったはずの「ゼロ金利」というカンフル剤を10年間打ち続けたことで、株式市場はカンフル剤なしでは成り立ない状況になっている。

これは、黒田日銀の負の遺産とも言える。その後始末を迫られているのが、植田日銀総裁だ。

3月7日、日銀の中川依子審議委員が「賃金と物価の好循環が展望できる」と発言した途端、市場は、日銀はそろそろカンフル剤をやめて金利を正常な状況に戻せると思っていると理解し、株価がいきなり約1000円も下落した。続く11日の1100円以上の下げも、同じ理由だ。

日銀がつくりあげた「金利のない世界」と、「異次元の政策」が、株式市場をすでに壊しかねない爆弾となっている。

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2つ目の爆弾は、「円安」。

「円安」は、庶民には厳しく、輸出企業は濡れ手に粟で儲かる環境と言える。これも、黒田日銀の「異次元緩和」で生み出されたものだ。

「異次元緩和」でじゃぶじゃぶに流された資金は、金利が上がらない日本から、コロナが終わって金利が上がりはじめた海外に流れ出した。日本では金利ゼロでも、アメリカなら4~5%の金利がつく。そのため、円が売られてドルが買われて「円安」が進む。結果、企業業績はよくなる。

それがわかっている外国人などが先回りして日本の株を買い、日本の株高が始まった。

ただ、「円安」は本当に日本経済を潤すのか?

いまだに輸出産業が儲かれば、日本経済が良くなると信じている人は多い。

だが、たとえばトヨタの場合、「円安」になっても、日本から出荷する車の台数はそれほど増えない。なぜなら、すでに世界各地で現地生産になっているからだ。

車の出荷台数は増えなくても、為替で1ドル130円のものが150円になれば、円換算での儲けは約2割増える。まさに濡れ手に粟だ。

ただ、国内の車の出荷台数が増えているわけではないので、雇用も生まないし設備投資も増えない。

「円安」は、日本の輸出企業を潤し、企業業績にはプラスだが、かつてのようにそれが日本経済全体を潤すことはない。

庶民は疲弊し、財務省は消費税収入が過去最高で高笑い。物価高は、庶民の家計を直撃するが、政府の財政は潤うことも忘れてはいけない。

「円安」によって、企業も政府も大儲けしている中で、どんどん先細りになっているのが庶民の家計だ。

「円安」は、個人消費を直撃し、消費を減らす最悪のカードとなっている。

この「円安」を止めるには、黒田「アベノミクス」の置き土産の「異次元緩和」から早く抜け出さなくてならないが、甘い汁を吸ってきた企業や政府、そして何より「円安」の追い風で4万円台を一時突破した株式市場にとっては、痛みを伴う大きな爆弾となる。

3つ目の爆弾は、「アベノミクス」に協力して、日銀が買い続けてきた67兆円もの「日本株」だ。

安倍内閣は株価連動内閣とも言われ、景気の良さを演出するために、黒田日銀にETF(上場投資信託)をとおして積極的に株を買わせ、株価を維持させてきた。

結果、日銀は67兆円もの株を保有する、日本で一番の大株主となっている。なんと、日銀が10%以上の株を持つ企業がプライム市場には72社もある。

大株主といっても、日銀は経営には口を出さない物言わぬ株主だが、「力不足なら退場」がルールの資本主義の中では、国が安定的な大株主というのは、あり得ない状況だ。投資家も、「株が下がっても日銀が買うから大丈夫」というモラルハザードに陥っている。やってはいけない領域に、安倍政権は日銀を踏み込ませた。

歪だね

日銀が大株主になる前の日本の株式市場では、良くも悪くも株価が将来示す羅針盤となっていた。みなさんも、株価が上がれば半年後には経済が良くなり、株価が下がれば半年後に経済が悪化してくるといった経済のセオリーを学んだことがあるだろう。

だが、日本だけはこの経済のセオリーは通用せず、株価と景気が完全に切り離されてしまっている。

こうなると大変なのは、黒田日銀の置き土産の67兆円もある株の処分だ。なぜなら、これだけ巨額になると、すぐに処分するというわけにはいかないからだ。

植田日銀総裁は、3月19日の日銀政策決定会合ので、「今後はETFによる株の購入をやめる」と語った。これで新たな購入はなくなるとしても、売るわけではない。当分、持ち続けることになるだろう。

なぜなら、実際に処分しなくても、「日銀が株を売り始めた」という噂が出ただけで、株式市場が暴落する可能性があるからだ。

かといって、現在持っている株は、ETFもあり、こちらは信託報酬などのコストがかかり、これだけで年間500億円の手数料がかかると言われている。

しかも、持っている間に株が暴落すると、日銀の財務内容を悪化させることにもなりかねない。2020年3月9日、日経平均が取引時間中に2万円の大台割れとなった。日銀が、株の含み損で債務超過に陥るのではないかと噂された。もし、そうなったら、日本の中央銀行としての信頼は地に落ち、日本が売られて「円安」になり、「金利」も日銀がコントロールできない状況になるかもしれない。

そうしたリスクを減らすためにも、黒田日銀の置き土産の膨大な株を早く処分しなくてはならない。

だが、足元の景気は改善しているかに見えるが、消費はどんどん冷え込み、その先は不透明。動くに動けないのだろう。

日本経済の「上」はピーカン、「下」は土砂降り。

こうした中で、中小零細企業にとって人件費のアップは廃業、倒産に結びつき、東京商工リサーチによれば、2023年の企業倒産(負債1000万円以上)は、前年の6428件から大きく伸びて8690件となった。しかも今年4月には政府のゼロゼロ融資(コロナ下の無利子無担保融資)の返済のピークが来るために、倒産件数はさらに増えて1万件を超えるとも言われている。

「上」は好調でも、「下」は悲惨という二極化が進む経済状況になっている。

そして、今の日経平均は、好調な「上」の経済の象徴なのだ。

日本には178万社の企業があり、従業員10人以上の企業だけ見ても44万社ある。このうち上場している企業が約4000社。日経平均に採用されている企業はその内のわずか225社だ。本来なら、日経平均を日本企業全体のメルクマールとするのには、かなり無理があるだろう。

そりゃそうだよね

だが、以前の日本経済には、日本を代表するような企業が儲かれば、半年後には他の企業も儲かって経済全体が良くなるというセオリーがあった。大手企業の従業員の給料が上がれば、中小、零細企業にまでそれが波及するという期待があった。そして、政府も未だにそう言っている。

だが、すでに、その経済循環は崩れ、「上」と「下」がはっきり二極化しているのが日本経済だ。

こうした中で、多くの人に夢を抱かせているのが、「新NISA」に象徴される「投資」だ。国を挙げて「投資をすれば豊かな暮らしができる」と大宣伝している。

だが、これまで述べてきたように、日本経済は「アベノミクス」で完全に二極化し、さらに歪んだ経済政策を続けたために、日銀は3つの大きな爆弾を抱えることになった。

「投資」するのはいいけれど、その前に、今の歪んだ経済状況について、しっかりと理解し、日銀爆弾が炸裂しても傷を負わない逃げ道だけは、しっかり確保しておくべきだろう。

勉強になります

「日銀が大株主」の企業にこれから空売りチャンスが来るってのことなんだろうか?