アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)近現代日本の民間精神療法その一

複数の学者による論文をまとめたもの

こういうのを研究してる学者が現代にいるってのが、ちょっと感動するなあ(特に吉永進一

スピリチュアルに興味ある人なら、興味深く読み通せると思う

大正時代に霊術ブームがあった、というのがキモ

これは、スピリチュアルに興味ある日本人としては知っといて然るべきな感じするかな

すっごく雑に言えば、欧米の心霊主義とかニューエイジみたいなブームが日本にあった(ニューエイジでポコポコ多数のチャネラーが湧いて出てきたように、霊術家が湧いて出てきた)

しかし、これがなかなかねえ・・・、日本人なのに知らないっていう・・・

大正時代の何やらかんやらのよりも、心霊主義とかニューエイジとかの方が情報が入りやすいんだよねえ、現代では

何か幾分歪な感じがするね、レイキのように(元々日本のものだったのに、アメリカに行って、逆輸入されてブームになった)

しかし、元々日本ってのは、その時代の先進国の文化を取り入れることに喜びを見出す国民性な気もするし、むしろそれが「日本らしさ」とか言えちゃうかもしれないが

 

「霊術家の饗宴、井村 宏次」

霊術の起源、1修験道⇒気合術、2催眠術

 

一、萌芽期(1868〜1903)

・宗教的技法の脱文脈化

・催眠術の紹介

原坦山(惑病同源論)、濱口熊嶽(気合術)、河合清丸(無病長生法)、井上円了(催眠術)

二、精神療法前期(1903〜1908)

1903催眠術の流行

1908警察犯処罰令(催眠術取締)

・精神療法

・催眠術取り締まり問題

・呼吸法の流行

小野福平(催眠術)、桑原俊郎(精神霊動)、古屋鉄石(催眠術)、木原通徳(鬼仏、養気療法)、岡田虎次郎(静坐法)、品田俊平(催眠術)、玉利喜造(霊気、邪気説)、藤田霊斎(息心調和法)

三、精神療法中期(1908〜1921)

1910〜11千里眼念写事件

1920岡田虎次郎、急逝

1921太霊道霊雲閣、火災消失

・精神療法の変容(身体技法化)

太霊道全盛期

・心霊研究とスピリチュアリズムの流行、鎮魂帰神の流行

大本教の流行した時期だが、1921第一次大本事件

・呼吸法の流行と近世養生論(白隠「夜船閑話」など)の復活

檜山鉄心(心身修養療法)、渡辺藤交(日本心霊学会)、田中守平太霊道)、栗田仙堂(リズム学院)、江間俊一(気合術)、松本道一(人体ラジウム)、鈴木美仙(帝国健全哲学館)、ラマチャラカ(ヨガ呼吸法)

四、精神療法後期(1921〜1930)

1928「霊術と霊術家」

1929田中守平死去

・精神療法家の増加

・修養から治療へ

桑田欣児(帝国心霊学会)、松原皎月(洗心会)、大山霊泉(霊掌術)、山田信一(整体、プラナ療法)、臼井甕男(霊気療法)

五、療術期(1930〜1945)

1930警視庁令第四十三号「療術行為に関する取り締まり規則」

1932日本治療師会創立

・電気、光線、指圧、整体などの物理的生理的療法の隆盛

精神療法衰退し、物理的生理的療法へ

こういう物理療法が、実は霊術みたいなメタフィジカルな療法と地続きのものとして現れたってのは意外であった

・健康道・家庭療法化(臼井霊気療法、生気療法、本能療法、西式健康法

専門家の要らない家庭医学的なもの

新宗教への展開(生長の家世界救世教の立教)

大沢晶寿(カイロプラティック)、杉田平十郎(電気療法)、玉井天碧(指圧)、藤井百太郎(藤井物理療法)、江口俊博(手のひら療治)

 

桑田俊郎は催眠術実験を繰り返し、念力や遠隔治療が可能だと発見

催眠術実験を繰り返してると、どっかで超常現象に当たるってのが古今東西のパターンみたいだね

 

檜山鉄心、精神療法の標準的な技法を開発した

正座・合掌・観想し、自動運動を起こして、手からエネルギー出して治療、というパターン

 

「現代宗教とスピリチュアリティ島薗進

スピ系の人は、教団的宗教に馴染めない、個々人が自由にスピリチャリティを養い、同じような考えを持つものの関係はネットワーク的な緩やかなものがよいと考えている

こういう人は「自分は宗教的ではないが、スピリチュアル」だという自覚を持ってることが多い

当たってると思うな

 

A自己治療:自分の健康増進・精神安定・人格向上・能力開発

B他者治療:他社の治療を目的とする

一、萌芽期(1868〜1903)

A

・原坦山(惑病同源論)

禅を宗教というより療法として展開

・河合清丸(無病長生法)

・釈宗演と鈴木大拙(静坐のすすめ)

静坐は悟り以前に、集中力向上、徳性向上、精神の余裕などに有効

B

井上円了心理療法

一般には、妖怪学、迷信打破で有名

「迷信」の心理療法的有効性は認めていた

宗教実践を心理学的に意味付け、宗教的意義を排して、実践的には利用する

心身相関に立ち、西洋医学の物質偏重を批判

・ジョンBドッズ(動物電気

催眠術のメスマーの翻訳書(実際にはそうではない)として出回った

・近藤嘉三(魔術と催眠術)

二、精神療法前期(1903〜1908)

「精神療法」「修養」という言葉が生まれる

第二期催眠ブーム

A

・岡田虎次郎(岡田式静坐法)

病人に横臥させて呼吸させたり、病人とただ相対して静坐していつの間にか治したり

初めは他者治療してたが、後に自己修養へ

加瀬神洲「呼吸術」、呼吸術は自己修養だけでなく「対人治療」にも有効

術者は患者と差し向かいで座り、両者が呼吸法(腹式呼吸)を行い安静状態に入る。術者は患者の額に布を置き、手を当てて、三昧に入る。患者の手と術者の手をわずかに接するようにしてもいい。そこでここぞという時に、「病気が治れ」「性癖が治れ」という心象に向かって意力を集中する。眠るでもない眠らないでもない、醒めぬでもない醒めたでもない

覚醒状態と睡眠状態の間の状態で超能力が発揮される、と今でもよく言われる

岡田式静坐法の実践で自動運動起こす者がいた、岡田はそれを禁じたが、自動運動は後の健康の重要な水脈

・藤田霊斎(息心調和法)

公案(達成したい目標の文言のこと、具体的なものから抽象的なものまで、「健康」〜「神」「仏」「大我」)を決める

下腹を張って気力を満たしながら呼吸、初めは意識して速く、次にゆっくりかすかに、最後に意識せずに呼吸してる状態

これと連動して、公案を腹で読む

調息が進むに連れ、公案の内容が観念から確信にいたり、この時公案はすでに実現されている

ふーむ、こういう願望実現法って今でもありそうな気がするな

・加藤咄堂/熊一郎(新仏教と修養)

「修養」と座禅をいち早く結びつけた、白隠の瞑想法を哲学や心理学の言葉で語った、座禅を「瞑想」の一つと評価した

気海丹田が太陽神経叢とする説

・木原通徳/鬼仏(耳根円通法)

耳根円通法でも自動運動起こる

・五十嵐光龍(自動療法)

半跏坐し、腹式呼吸してると自動運動起こり、その作用で自身を治療する

これは自分も心当たりあるな

でも、瞑想後にどっかが治療された感覚とかは無いんだが

病気の部分を擦ってみればいいのかな?

無念無想の状態に入ると、体がひとりでに治療運動を始め、病気の部分をさすって自己治療をはじめる

B

・桑原俊郎/天然(精神療法)

催眠術による治病のみならず、人身操作や千里眼の発現の報告

これらは従来の催眠術書でも言われてるが、無催眠でも起こるのに注目

物心一如の世界観、大我小我

催眠術、呼吸法、座禅静坐、養生論の復活、あるいは西欧の心霊研究、心霊主義の紹介とかで、時代風潮のターミングポイント

・小野福平(催眠術)

・品田俊平(心教)

・古屋鉄石/景晴(催眠術から精神療法家へ)

通信教育、会員制度

・村上辰午郎(注意術)

・竹内楠三(催眠術・心霊研究の紹介)

・渋江易軒/保(催眠術・心霊研究の紹介)

玉利喜造(霊気、邪気説)

紅療法、元々は鹿児島の民間療法、桑の木の棒の先に紅つけて頭に擦り込む

あん摩を受けるようで、気持よく安眠できるらしい

・濱口熊嶽(人身自由術)

気合一声で抜歯やほくろ除去

三重県郷土の偉人

伝記・自伝が面白いらしい

三、精神療法中期(1908〜1921)

催眠術取り締まりで、催眠療法家が精神療法家に看板を立て替えた

知識人層増える、新しい宗教を求める動き、西洋医学結核や神経衰弱に対処できない

「比較研究 七大健康法」、壮神社

A

・檜山鋭(心身修養法)

病に悩み、色んな健康法を遍歴した後、断食で健康を回復

座法、呼吸法、自動運動、手当を組み合わせて体系化

・横井無憐/円二(内観・精神統一法)

肥田春充肥田式強健術・聖中心道)

割とこれらの人物群の中では有名?

晩年は宗教研究の方に行って、超能力発揮したらしい

・平井金三(三摩地会)

三摩地はサマーディのこと

・忽滑谷快天(錬心術)

・ラマチャラカと松田霊洋(プラナ呼吸法)

松田霊洋はラマチャラカの翻訳者

B

田中守平太霊道

民間精神療法団体の代表的なもの、技法講習団体

心身から宇宙までを理論的体系的に論じようとした

10日間の超能力開発を含むカリキュラム、霊学士などの認可制度、学校を模した組織

治療法や修養法を講習・販売する団体という性格が強い

しかし、田中のメシア意識、世界救世事業という意識あり

田中は政治運動して挫折

後に宗教化を図るが、急逝で途絶

・栗田仙堂(リズム学院)

太霊道の一元論思想を物質的一元論に進めたのがリズム学

呼吸法やって合掌することで、指先に小刻みな振動起こり、それを眉と目の中心部分に当てると霊能力治病能力が出るという

・江間俊一(江間式心身鍛錬法)

気合をかけて患者が催眠トランスに入ったところで暗示を施す

松本道別(人体ラジウム

「霊学講座」、霊的技法全般を知るのに格好の本

・渡辺藤交(日本心霊学会)

民間精神療法と精神医学の狭間に位置する

・清水芳洲/英範(清水式心理療法

精神療法家同士のネットワークを作り、精神療法業界の公認を目指した

「霊術と霊術家」

四、精神療法後期(1921〜1930)

民間精神療法家が増えた、民間精神療法家の比較論評が実施される、業界紙が現れ、精神療法業界ができた

批評紹介本で重要なのが「霊術と霊術家」

形而上学理論よりも、有効性実効性が問われるようになる

心理的・宗教的余白が削ぎ落とされ「療術」へと再編する過程、身体技法への関心高まる、カイロプラティックが出現したのもこの時期

A

・大山霊泉/覚行(霊掌術)

・石井常造(生気自強療法)

・高木秀輔(断食法・霊気術)

・西村大観(心源術)

B

・桑田欣児/源五郎/道教(帝国心霊学会)

昭和期には、整体や指圧に重点を移す

後に宗教法人化

松原皎月(洗心会)

「霊術講座」、他の霊術への寸評、霊術家人名録

「霊術大講座」、かんの虫封じから生命鑑定まで、八幡書店

・秋山命澄(浄化療法)

・臼井甕男(霊気療法)

活動期間は4年と短く、同時代ではほぼ無名

ご存知、レイキの創始者

今では、これらの人物群の中で一番有名かな

人生色々あるね

中村古峡(変態心理)

民間精神療法家と精神科医の狭間に位置する

「変態心理」は民間精神療法の情報の宝庫、不二出版

不二出版 : 変態心理 〔大正6年~大正15年刊〕 全34巻・別冊1 〔復刻版〕

大正六年創刊の本誌は、現在でいうところの多重人格、トラウマ、精神病質、神経衰弱、心霊現象、催眠現象、サイコセラピー、マインド・コントロールから、買売春、嬰児殺し、ドメスティック・バイオレンス等さまざまな異常心理・超心理の具体的事例を満載した研究雑誌である。

社会心理学・精神医学はもとより、犯罪、風俗、性、差別、教育、宗教、文学などの分野に広く活用できる資料の宝庫である。

五、療術期(1930〜1945)

療術行為に関する取締規則、主眼は物理療法(電気、光線、温熱等)、精神療法は暗示療法と見なされ問題視されなかった

形而上学的理論の衰微と身体技法への関心の高まり、手技療法と精神療法は地続き

警視庁令に端を発して、業界団体が大きく展開した

この頃宗教団体の認可が降りやすくなり、精神療法療術と宗教のカテゴリーを行き来する者が出る、桑田欣児、岡田茂吉世界救世教)、谷口雅春生長の家

A

・佐藤通次(皇国と身体)

呼吸静坐法・丹田呼吸法が皇国的身体の象徴へ

藤田霊斎、国民心身の改善として国家に働きかける

呼吸静坐は皇国の自覚の「行」

国家主義に傾倒する人も出てきたのだろうね

・平田内蔵吉(坐の研究)

民間療法の比較論評・カタログ化、「民間治療法全集」、エンタプライズ

たにぐち書店

B

野口晴哉(整体)

野口整体で有名だね

・江口俊博(手のひら療治)

一般紙で特集された

臼井に入門するが、「元々自然に備わっているものなのに、多額の金銭を取るのはおかしい」と脱退した人

 

・「日本人の身・心・霊」シリーズの一覧

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 1 精神統一心理実験+臨床暗示清水式心理療法
著者    吉永 進一 (編・解説),村上 辰午郎 (著),清水 芳洲 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2 岡田式静坐法
著者    吉永 進一 (編・解説),実業之日本社 (編著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 3 心身修養三摩地+心身解脱耳根円通法秘録
著者    吉永 進一 (編・解説),平井 金三 (講述),木原 鬼仏 (著),心霊哲学会 (編纂)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 4 精神霊動
著者    吉永 進一 (編・解説),桑原 俊郎 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 5 心霊治療秘書+リズム学の精華保険療病の原理
著者    吉永 進一 (編・解説),渡辺 藤交 (著),栗田 仙堂 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 6 幽明の霊的交通+精神統一の心理
著者    吉永 進一 (編・解説),高橋 五郎 (著),福来 友吉 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 7 錬心術+最新精神療法
著者    吉永 進一 (編・解説),忽滑谷 快天 (著),ラマチヤラカ (原著),松田 霊洋 (訳)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 8 精神治療法+破邪顕正霊術と霊術家
著者    吉永 進一 (編・解説),高橋 卯三郎 (著),霊界廓清同志会 (編)

 

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−1

動物電気論    メスマー 著    1-50
催眠術に於ける精神の現象    佐々木九平 著    1-102
催眠術独習    近藤嘉三 著    1-212

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−2 仙家秘訣無病長生法+内観的研究
著者    吉永 進一 (編・解説),川合 清丸 (著),橋本 五雄 (著),玉利 喜造 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−3 岡田式静坐三年+自動療法
著者    吉永 進一 (編・解説),岸本 能武太 (著),五十嵐 光竜 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−4 心身修養療法原論+浄我の祈念
著者    吉永 進一 (編・解説),檜山 鉄心 (著),秋山 命澄 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−5 霊光録+神秘霊道術講習録+岩田氏本能法教科書

本能法ってのが霊動を利用した治療法として一番完成されているとか

著者    吉永 進一 (編・解説),高木 秀輔 (編輯),岩田 篤之介 (講著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−6 霊術講座+三吉式精神修養法
著者    吉永 進一 (編・解説),松原 皎月 (著),三吉 彦一 (著)

日本人の身・心・霊 近代民間精神療法叢書 復刻 2−7 観自在術+心理療法全書
著者    吉永 進一 (編・解説),木村 駒子 (著),西川 光二郎 (著)