アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)ブライス家の人々 家族療法の記録、その四

・1950年代初め、分裂病患者の行動観察から興味深い発見をした

母親が見舞いに来た後に、急激な症状の悪化をきたすことが多かった

このことから患者と母親の間に何かが起こっているのではないかという疑問が生じた

患者は母親との複雑怪奇なコミュニケーションにどっぷりとつかっていたのである

言語と非言語の二つのメッセージが相矛盾していたのである

有名なダブルバインド、二重拘束理論

ジェイ・ヘイリー「あの頃私たちは分裂病患者には母親が存在することを発見した」

その後長期にわたって、母子関係が「精神障害」の元凶と見なされた時期が続いた、「分裂病因性の母」「ひねくれた母親」

さらに研究者達は、父子関係の歪みの重大さにも気がついた

父子関係に距離があるために、それが過度に密着した母子関係を形成させる要因になっていた

ヘイリー「分裂病患者には父親も存在した」

両親の夫婦関係が長期にわたって損なわれていること、「患者」と呼ばれる人の精神病的エピソードと夫婦の葛藤とが軸を一にしているらしいことが判明した

「患者」と呼ばれる人=identified patientの考え方

両親が対立し、その亀裂が深まるに連れて、息子・娘が精神症状を示し始め、一旦子供が入院すれば夫婦は「病気の子供」の親として休戦状態に入るという仕組み

夫婦は子供の入院によって自分たちの葛藤に直面することを避ける口実ができたのである

家族はこの定期的な「病気」のお陰で見事に安泰を保つ

両親は分裂病の子供に感謝しなければいけないね

これらの研究によって、家族を個々人の集合体として見るのではなく、あらゆる生物体と同様に有機的に個々人が統合されたものとして考えるようになった

家族自体が構造、規則、目標を持つものであり、そのために家族は「全体」として機能することが理解され始めた

家族を一つのシステムと見なし始めた

患者の精神症状というものは家族がシステムの安定性を維持するための「適応」手段である

 

もちろんシステムには下位のみならず、「上位」システムがあり、それらは個人に影響を及ぼす一層複雑なシステムと言える

国々からなる世界共同体>国家同盟>国家>州>群>市あるいはコミュニティ>コミュニティのサブグループ(職場、友人)>拡大家族>核家族

 

原因は個々の人たちの根深いコンプレックスや超自我あるいは自我の内に埋もれているのではない

問題は家族構成や家族内のコミュニケーションの形態、さらには家族成員間の日常の相互作用のあり方といった家族システム自体に潜んでいたのである

 

「患者」と呼ばれてきた人をいかに扱うかという問題

もっとも容易な方法は単純に家族のストレスの犠牲者と命名してしまうこと

症状を現している人(IP)は家族のスケープゴート、人身御供であり、キリストとも言えるような人

IP=Identified Patient

 

患者が実際に家族システムのストレスに反応して症状を呈しているのならば、治療の対象は家族でなければならない

これはつねに個人の苦悩からの開放を念頭に置いてきた専門家にとって、過激とも言える発想転換を意味した

 

投げかけた波紋の一つは、人間の情緒問題を「病気」と関連させて医学的、あるいはそれと類似する問題とすることの誤りを表面化した点である

う〜ん・・・

2020の今でもその誤りを平然とやってるのが現実なんだよなあ

 

将来、家族療法家は、企業や教育機関などの大きなシステムを相手にして仕事をする場合もあるかもしれないが、家族を無視することは決して無いだろう

人間生活の発展にもっとも強力な影響を及ぼす単位は個人や職場、あるいは社会の集団ではなく、家族であると信ずるからである

家族を最も重視すべきで、家族より大きい社会的な力、及び家族よりも小さな個人の力を二の次にする

フロイトは個人の無意識を観念し、ユングは人類の無意識を観念した

家族療法はその中間と評価することもできるか