スピリチュアル・エマージェンシーとは霊的危機のこと
古代にはヴィジョン的意識状態は宗教・治癒・芸術においてポジティブな価値を持つものとされた
が、現代では精神病、単にネガティブなものと見なされる
精神病と神秘主義の区別をつけず、全て投薬で済まそうとする
もちろん投薬が必要な場合もあるが、ポジティブなものまで潰してしまうのはいかがなものか?
・・・という方向性の本である
この本はこのような方向性の複数の著者個別の小論文をまとめたものである
スタニスラフ・グロフが全部書き下ろしているわけではない
スタニスラフ・グロフの分は2本小論文と各小論文のちょっとした解説とか
スピリチュアル・エマージェンシー:進化的危機を理解する、スタニスラフ・グロフ、クリスティーナ・グロフ
医学的原因が分かってない精神病がある、これが興味をそそられる群
精神医学は身体・生理学的原因を探す、伝統的心理学はクライアントの個人史に原因を限定する
心理学の最近の成果はそれらを超える原因を示唆、ユングの元型とか
心を広く拡張した意味に捉えると、非日常的意識状態はでたらめで気まぐれな産物とはみなされない
シャーマニズムや禅は心の深い領域に関する知識の宝庫である
「危機」はスピリチュアル・エマージェンシーの概念を余す所無く表している、1危険、2機会という二つの意味
困難や恐怖、一方で多大な進化・治癒の可能性
このような意識状態をどのように扱うか知っている人のサポートが大事
その他色々書かれているが、「深層からの回帰 - 意識のトランスパーソナル・パラダイム」で扱った内容とほぼ重なるので略
スピリチュアル・エマージェンシーの形態リスト10
1シャーマン的危機
霊的危機を乗り越えて心身的健康を取り戻すことが多い、危機を乗り越えてシャーマンになった人は立派に職分を果たす一員として共同体に戻ってくる
2クンダリニーの覚醒
激しい身震いや痙攣、ねじれるような動き、エネルギーと熱が脊骨を昇る感覚
不安、怒り、悲しみ、喜び、法悦的歓喜のようなこれという原因がなさそうな様々な感情の大波
まばゆい光のヴィジョンや元型的存在、内的に知覚される多種多様な音、過去生の記憶
異言、未知の歌の詠唱、ヨーガの姿勢を取る、色んな動物の鳴き声や動きの真似、自分の意志によらない往々にして制御不能な行動
3統一意識の発現、至高体験
4中心回帰による精神の刷新
ジョン・ウィアー・ペリーの刷新プロセス
5超感覚的知覚の覚醒
6過去生体験
7霊的ガイドとの交信、チャネリング
ジョン・クリモ「チャネリング」
8臨死体験
チベット「死者の書」、エジプト「死者の書」、ヨーロッパ「アルス・モリエンディ」
レイモンド・ムーディ「かいまみた死後の世界」
9UFOとの接近遭遇体験
10憑依状態
補:
参考