アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)偽薬効果 笠原敏雄、その四

二重盲検法では、薬と偽薬のいずれかを投与されるという教示を受ける

しかし、非研究状況では、本物の薬と教示される

この二つの状況では期待が違うので偽薬効果に違いがあると思われるが、二重盲検法下のデータは臨床状況で得られるデータと比較できると暗黙の内に考えられている

・「投与量が大きいほど偽薬効果が大きい」という研究があるが、それらは投与量が少量〜中量に限定されていた

投与量が極量に見える場合には被験者の信頼が損なわれ、偽薬効果が抑制されるのではないか?

・コーヒーと偽薬(カフェインレスコーヒー)を用意し、茶さじ1〜8杯分を、二重盲検法と完全に(カフェインレスコーヒーを普通のコーヒーだと)騙した状態で投与する

その上で、機敏性、緊張、心拍数、収縮期圧、カフェインを飲んだ自覚感を調べ、行動的測定として数字の詠唱、象徴の置き換え、反応時間、ローター追跡を調べる

偽りの投与は二重盲検法的投与と比較して、心拍数が有意に増加、カフェインを飲んだ自覚感が高まった、

機敏性、緊張、収縮期圧、カフェインを飲んだ自覚感について、予測された反応曲線は偽りの投与でしか得られなかった、二重盲検法による投与は反対方向に曲線を生み出した

予測された反応曲線とは、少量〜中量においては増加し、中量〜大量では減少する、ような曲線

行動的測定では、偽りの投与でも二重盲検法による投与でも、カフェインが行動テストにどのように影響するかという被験者の考えと有意に相関していた

例えば、カフェイン飲むと反応時間が短くなると思う人は、本物だろうが偽薬だろうが、反応がよくなる、ということだ

逆も然り

二重盲検法による投与は反対方向に曲線を生み出したことは説明に窮するが、薬効評価研究に対して持つ意味は重大である

二重盲検法は薬の効能を評価する上で適切な方法ではないのかもしれない

鋭い実験だ

そして、すごい実験結果だ

 

経口避妊薬の二条盲検法下の偽薬の副作用、30%性欲減退、17%頭痛の増悪、14%生理痛の増大、8%心理的不安定や神経過敏

感冒ワクチンの二条盲検法下では、実験群・対称群ともに、7%が医学的治療を要するほどの毒性副作用を報告した

・偽薬効果は嗜癖や離脱の治療計画でも明確に観察できる

モルヒネの代わりに投与された偽薬に数年間慢性的な依存を示した例

疼痛カクテル法を用いた多重投薬から徐々に離脱させる場合、それを偽薬に置換していく

・製薬業界は、錠剤服用という儀式に伴う期待という重要な要素が効力に大きな影響を与えることを暗に認めている

赤やピンクの刺激剤は青色のそれよりも効果が大きい

複数の色彩を使ったカプセル剤や、大きな緑褐色の錠剤、小さな赤橙色ないしピンクの錠剤は、白い伝統的錠剤よりも大きな効力を発揮する

大手製薬会社のアスピリンは、無名製薬会社の同種錠剤よりも良好な結果を生み出す

ジェネリックはこういう部分で負けるのか(笑)

 

痛みの減少における、催眠暗示と偽薬

催眠にかかりやすい人とかかりにくい人を用意、催眠弛緩法によって手の知覚麻痺を誘発させた、手に電撃を与えることにより知覚麻痺を確認

催眠かかりにくい人には、密かに電撃を弱めて、手の知覚麻痺が起こったように思わせる

催眠にかかりやすい人は深い催眠に入って、劇的な疼痛耐性を示した(催眠の解離)

偽薬による疼痛の減少は催眠かかりやすい人にもかかりにくい人にも同程度に見られた

重要なのは、催眠状態に入れなかった人も催眠無痛暗示が痛みを有意に減少させたこと

これは催眠の偽薬成分と呼ぶことができる

事実、このような痛みの減少と偽薬による痛みの減少はほぼ同じで高い相関が得られた

 

二重盲検法モルヒネと偽薬を比較すると、偽薬はモルヒネの56%の効果を持つ

二重盲検法アスピリンと偽薬を比較すると、偽薬はアスピリンの54%の効果を持つ

二重盲検法でダーボンと偽薬を比較すると、偽薬はダーボンの54%の効果を持つ

二重盲検法コデインと偽薬を比較すると、偽薬はコデインの56%の効果を持つ

二重盲検法でゾマックスと偽薬を比較すると、偽薬はゾマックスの55%の効果を持つ

上記は全て鎮痛剤だが、強さが異なる

この56%という効果発生率は鎮痛剤と偽薬の比較に限らない、医薬品以外の不眠治療法や三環系抗うつ薬うつ病治療の向精神薬も同様