アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)新・日本神人伝、その三

◯友情歓真

大本に一時入信した後、激烈な反大本論者になり、天皇帰一を目的とする独自の秘教的な結社を結んで「霊的国防論」

この人もナショナリズムの強い人

・「霊術」は、実際、大正から昭和初期にかけて、一大ブームとなったもの

霊術の二大元ネタは、精神統一による神憑り法(鎮魂帰神)と、明治時代に移入された催眠術

ほかに欧米心理学、昔ながらの禁厭、修験的大道芸、手かざしなどの心霊治療がごちゃまぜ

めっちゃ面白そうなんだが

鎮魂帰神ってのは、私の見た所、当時のチャネリングの練習法という感じだ

鎮魂は、ここでは死靈を鎮めることではなく、自我を鎮めること

帰神は、自分以外の霊を自分の体に宿すこと

ニューエイジでも、「チャネリングのやり方を教えます、◯◯万円」ってのがいっぱいあったけど、似たようなノリだったんじゃないかな?

田中守平の「太霊道」、霊子顕動法だの霊子潜動法だの

友情はこの手の新興霊術をやったが、誇大広告の割にさっぱり中身がなく、次に密教に行ったが、「ある日、霊威に打たれて」大本へ行く

当時、大本は鎮魂帰神全盛

鎮魂帰神の威力に感激し、世界立て直しの予言や大本霊学に魅了された友情は、以後、大本礼賛と終末宣伝に突き進む

このころの大本は、浅野を中核とした「大正十年立替え説」が猛烈な勢いで喧伝されており、組織を挙げての終末到来キャンペーンが繰り広げられていた

友情もこれに乗ってたのだが、突然大本に離反する

友情が大本を「迷信邪教」と見なした最大の理由は二つある

第一は王仁三郎流の鎮魂帰神法を偽物と断じたこと、第二は天皇観の違い

もともと友情は天皇を熱烈に信仰していた、ナオも王仁三郎も自分と同じ天皇絶対主義者だと思い込んでいた

けれども、お筆先を子細にに検討していくと、不敬の文言が確かに出てくる

「てん◯◯(しは)綾部に仕組が致してあるぞよ。◯◯◯(てんし)、◯◯◯(てんか)を拵らへて、元の昔に返すぞよ(参考:大本神諭での千年王国 - アヴァンギャルド精神世界

こりゃ弾圧されるわ

これに関する神諭は、慎重な処置をした上で公開していたため、信者は大本が天皇とともに新たな神代をつくりあげていくものと信じきっていた

友情も、また浅野和三郎もそうだった

友情は、どういう経緯か不明だが、お筆先に「許すべからざる重大なる不都合あることを発見」した

第一次大本事件で幹部が大本を離れたというのは、ここらへんの事情があるのかな?

・霊学筌蹄の序文は、当時の古神道の位置づけの適切な要約になっている

「日本は世界最古の国・・・最も正しい伝説を有する国、神界から最も重視された中心的国家であり・・・。海外にも古い歴史をもつ霊学の分派的伝統があるが、それは日本から渡られた・・・神々が授けたもので、周易占星術、各種卜占法、医術など・・・。日本を宗源とする神伝霊学は、来たるべき第三の霊文明の時代の中心的学問であり、余の挙揚する真の神道古神道)は、宇宙の大道に他ならない」

これだけ見ると、お隣の国のナショナリズムと同レベルのただの馬鹿で終わるだろう

しかし、アメリカのチャネリングである「オアスペ」に、世界最古の大陸「ザ・パン」ってのがあって、その名残が日本である、とか書いてあるらしい

こういうのを組み合わせると、何かあるのかな、と思わせる

今でも「日本は世界の中心」とか言ってる人は、こういう方向に研究を広げれば説得力増すと思うよ

友情の反ユダヤ主義は、昭和に入ってから加速したが、すでに大正九年の秋には「シオン賢者の議定書」の抄訳を読んだと述べている

友情もユダヤ陰謀論に熱烈に与した一人で、世界の金融も通信網やマスコミもユダヤに握られており、国際連盟にした所で、要するにユダヤ支配下にある一機関に過ぎないと見なしていた

あれれ?

今と大して違わないぞ

今やユダヤは、はっきりと日本の国体破壊に向けて牙を剥き出し始めた

その根本の理由は、神界の命を受けて世界を統一・支配する権限を付与された日本天皇が、ユダヤの狙う世界征服計画の最大の障害物になるからである

日本とユダヤは、いずれ雌雄を決すべき運命にあると考えられた

ふーむ、こういう説があったんだ

この脈絡を踏まえると、日ユ同祖論とかも特別な意味合いを持つのだろうね

日米の激突は必至であり、「我が全土に日の雨が降る」ビジョンも、友情は感得していた

それでも日本人は「海行かばみずつく屍、山行かば草むす屍」の信念を捧持して天皇に帰一し、断じて戦わなければならない

それこそが、日本国民が「自己を本当に生かす道」であり、それこそが「正真の古神道」「正真の日本精神」だと叫んだ

この人、兵隊として戦争に行ったのだろうか?

そういう描写が本に無いんだが

自分は安全圏にいて、こういうことを声高に叫んで扇動する、ってなるとクズだな

このころの友情の精神状態は、もはや常軌を逸していたというしかない

「世界の富は神のものであり、人間社会の富は天における神の王の人間世界の表現たる大日本天皇のものであります。このことが地上一切人に覚知される日まで、社会問題は解決いたしませぬ」

・敗戦

「霊的国防」とか言って色々儀式をやったりしていたらしいが、現実はこうなる

「今や『神国日本』の犠牲によりて世界は一新せられんとする大神変時代に第一歩を踏み入れた」

「敵に殺されても七度生き返って報復せよ」とか、「首を撥ねられたら首ごと敵に噛みつけ」といった文言は姿を消し、代わって、「静かな足取りで近づきつつある」新時代の「大神策」にかなう内面的・精神主義的な生き方に力点が置かれるようになっていった

容赦のない現実を突き付けられると、あっさりと手の平返し

駄目だ、こいつは

しかし、良くも悪くも凡人を凌駕している人ではあった