分化尺度の4つの機能範囲0〜25〜50〜75〜100
この本のキモかな
0〜25:
感情世界に生きている、周囲の世界にあまりに敏感なため、感じる能力を失ってしまっており、無感覚である
情動的な欠乏感と他者への高い反応性のために、長期的関係を維持することが非常に難しい
人生のエネルギーの大半を「愛すること」と「愛されること」に費やし、また、愛の獲得に失敗したことへの反応に費やす
目標追求に残されたエネルギーはほとんどない
スピとか宗教で、やたらに「愛愛、愛愛」と、「お猿さんだよ、ウッキー」とでも続けたくなるくらい連呼するようなのをちょくちょく見かけるが、心理的不健康の証じゃないのか?
25以下は、思考と感情を区別する能力がないことを基準とする
感情世界に呑み込まれてしまっているので、選択肢があることにほとんど気づいていない
決定の大半が、正しいと感じることに基づいている
この人の機能は環境への情動反応にほとんど完全に支配されている
「自己」はほとんど発達しておらず、代名詞「私」の使用は「私は欲しい、私は傷つく、私には権利がある」というような自己愛的な宣告に限られる
「私は信じる、私は・・・である、私は・・・するだろう」というようなより分化した「私」の表現をすることが出来ない
これは必ずしも他者を利己的に利用しているという意味ではない、その人が愛着を持つ関係システムの完全な情動的従属物になることを表している
他者の不快を軽減するために反射的に適応する
逆に、十分なストレス下では、他者、特に最も依存している人達をも殺さんばかりに殴りかかるかもしれない
このレベルの人は、自分の家族からほとんど情動分離できず、生涯、もともと家族に持っていた依存的愛着の復元のような関係を求め続ける
この範囲の高い極にいる人は、症状なく人生で機能するのに十分な依存的な関係システムを維持できるかもしれない
非常に低い極にいる人、様々な施設にいるか、社会の周辺部で生活している
重症の分裂病の人は0〜10
ドヤ街のアルコール依存症や矯正不可能な麻薬常用の人は、通常25以下
彼らは人生のある時点までは上手く機能していたかもしれない、しかし、死や離婚などのためにシステムが崩壊して、永続的な機能不全に陥ってしまったのである
0〜25の人に対する最も効果的な治療は、その人が関わりを持つ他の人々と常に一緒に居させることである
25〜50:
明確に規定された自己を持たないが、分化能力は芽生えている
信念や確信をあまり持たず、流行のイデオロギーにすぐに飛びつき、影響されやすく、受け入れられたいがためにすぐに他者の真似をするという点で、イデオロギー的なカメレオンと言える
自分の情動的な性質を最もよく補ってくれる観点を取り入れ、また世間での自分の地位を擁護するために外部の権威に頼る
35〜40の人は十分に適応しており、障害や麻痺という特徴はあまり示さない
しかし、感情的な不調和、他者の意見、良い印象を与えることなどに敏感である
賞賛や賛意で舞い上がり、批判や反対で打ち砕かれる
低い尺度の人と同様に、非常に多くの生きるエネルギーを「愛すること」と「愛」を求めることに向け、自分で決めた目標に向けるエネルギーをほとんど持たない
ビジネスの成功ならば、仕事特有の価値からよりも、上司や関係システムの承認を得ることで決まる
35〜40の人は、基本分化の重要な要素である確固たる自己としては低いレベルだが、機能分化の重要な要素である適度の偽自己を持つ
偽自己とは、他者から得た知識や信念を意味し、知性が取り込んだもので他者との関係の中でやり取り可能なものである
偽自己は情動的プレッシャーによって作られたり、修正されたりする
偽自己が持つ原理と信念は、他者と共にいる自分のイメージを強化したり、他者に反対しようとして変わりうるものである
これらの意見や信念は知性が取り込むものであるが、感情過程と強く融合している
この融合は、物知り顔の権威的態度、弟子としての追従、反逆者への反対などで意見や信念が表現されることで証明される
確信は感情と融合して主義主張となる
偽自己は大半の仕事や社会状況の中で効果的な羅針盤を提供できるが、情動が激しく動いている状況下ではこの羅針盤の欠陥が明らかになる
結婚はその一例である
人はそれぞれ、相手の信念、態度、価値観、生き方に反応し合い、それらを修正しようとする
ある人が優位に立つと、考えたり感じることで力や自信を獲得する
一方、その配偶者は自分の羅針盤に自信を失う
一人が「強い」自己になり、他方が「弱い」ものになる
情動反応性が著しい時は、偽自己の欠陥は社会的レベルでも現れる、魔女裁判
人が偽自己で機能しようとすると、沈黙を破り、群衆と足並みをそろえて、情動的均衡を乱すような意見を言わない傾向を示す
この例外が反逆者である
この人の偽自己は、不調和を引き起こすことで絶えず強化される対抗自己である
他人の言うことに何でも反対する反逆者も、単なる付和雷同者と同じくらい他者への反応からできているから、レベルは同じ
偽自己とは対称的に、確固たる自己はゆっくりと形成され、自己の内部からのみ変化しうるような堅固に保持された確信と信念からなる
不安は、人々を「集団思考」へと駆り立てるが、通常「集団思考」とは内部に矛盾があり、事実よりも主観に合わせて形作られる
偽自己は集団思考に合わせて作られる
これとは反対に、確固たる自己は一貫性のある思考に基づく信念を持ち、集団思考に対峙できる
確固たる態度の人は「正しく」振る舞う必要はない、「これが実際の私である。これは、私の信じていることだ」と言っているだけである
0〜25と25〜50の主な違いは、自己の分化レベルを高めようとする能力を持つことにある
・家族が争っている問題の多くは人生観における葛藤そのものであり、「べき」かについての葛藤である
人が圧力に反応的になったり、屈服すると問題は悪化する
人は問題を解決する「回答」を必要としていない
必要としているのは、症状に焦点を当てるのではなく、個として自分のために明確に方向性を定めることに焦点をおくことである