・三回目の面接
カール「だれでも治療を受けることを決めた直後は、しばらく大抵の物事が以前よりうまく運ぶものなんです」
治療を成功させる鍵は、初期段階における家族の主体性
心理療法を受ける家族とは、自然の成長過程が遮断されているに過ぎない
クローディア「パパが私にさせたいのはそういうことなの。部屋に閉じこもって、気が狂えって言うの」
カール「君のお父さんは自分の気持や個性を殺そうとしていたんだ。だからそれが君をあんなに動揺させたのだと思うよ」
カール「言葉の使い方にも問題があるね。お父さんは君がまるで七歳の子供でもあるかのように話しかけるだろう」
カール「家族というものは他の人が何をしているかについてはよく話すものだけど、君は自分自身のことや自分が感じていることを話してくれた。もし家族の皆さんがそれができれば、この問題は半分解決したようなものだがね」
デビット「私には分かりませんね。クローディアが泣き喚いたり取り乱したりするのは、私と妻が非常に理性的で、全て関して道義的であろうと努力していることが原因だとはね。それがなぜいけないのか私には分かりません」
私「クローディアが興奮するほど、お二人は冷め、お二人が冷めれば冷めるほど、クローディアはますます興奮するというわけです」
私「ご家族の転換期というのは、従来のように親の支配下に子供を置くことから、クローディアを独り立ちさせてお二人との間に人間対人間の関係が築きあがられることです」
両親は自分たちの生活の中心的な存在として、いかにクローディアを必要としているかを認識しておらず、また、クローディアも自らの人生の苦悩を両親に責任転嫁することでいかに自分が楽をしているかなどまったく考えたこともなかったのである
皆、病気
カール「クローディアが感じ取るのはお二人の間にある言葉では表されない緊張であり、それが彼女を気が狂わんばかりにさせているのです」
私「近頃は夫婦の問題といってもごくあたりまえのことですし、両親と子供という三角形を作ることで、その問題はよく処理されるのですよ」
私「冷却と緊張の両方を処理する一つの方法が、クローディアを仲介者として選び出すことだったのです」
私「お二人はお互いに抱いている気持ちを直接さらけ出せば、今かろうじて保たれている安定を崩すことになってしまうのでそれを恐れていたわけです」
私「一家の皆さんが同意していたことだと思いますね。クローディアも被害を被ってばかりいたとは思えませんね。大きな力と影響力を得ていましたからね」
カール「本当の人生のあるところにこそ狂気が存在するのだから」
カール「君のお陰で家族の皆が自分から気を狂わせて、それを楽しむこともできるんだと分かればそれは大したことだよ」
・ジェイ・ヘイリーは家族関係の三角関係が情緒障害の基本的要因であるとした
両親が感情面で疎遠になると、孤独のあまり子どもたちを親の情緒的な苦悩に過度に巻き込んでしまう
子どもたちは情緒的に不安定なまま成長し、自分の家族を持つ時に同じパターンを繰り返す
三角関係を昔ながらの性欲論的な視点から眺めてみるのも一つの方法である
デビットは意識せずにクローディアを妻の代理として使っていたのである
夫婦の争いが激化すれば分裂病患者が入院するという症例からも理解できるように、子供が支払う代価はあまりに大きすぎる
選ばれた子供が深い苦悩を追いながら家族から追放されることになる
家族の誰かを非難することによって自己防衛ができる
(一家のメンバーは)お互いに自分こそが無力な犠牲者であり、力のあるのは「相手」で、その人物こそ自分の運命を支配していると感じていた
ここらへんちょっと引き寄せっぽいかね?
無力、犠牲者・・・波動が低いから何も上手く行かない
自分自身の感情に対する自覚がなく、自分の行動や変化の可能性にも気づいていなかった
成人であっても未熟な人をよく見受けるが、それは家族内に成員の個性化や成熟を禁じるような家族ぐるみの共生関係が存在するからである
各自が強い依存関係にあり、お互いに支えを失うことを極端に恐れる
人が家族を支配する代わり、家族システムにおけるそれぞれの硬直した役割が人を支配する
これは家族に限らず普遍的にそうである気がするな
リアリティトランサーフィンの「振り子」かねえ?
争いは家族に分離の欲求のあることの現れであり、家族の誰かとの争いがその相手からの独立を促進する方法なのである
彼らは愛情があってもそれを十分楽しむことの出来ない家族という煉獄の中で、一人ぼっちで監禁されるという終わりのない苦しみを味わっているのである
家族のうちにはお互いを失うことの恐怖よりもさらに大きな恐怖がある、死に対する恐怖である
デビットとキャロリンは、今後満足の行く人生を二人で送ることは出来ないだろうという強い不安を感じ始めていた
両親がクローディアの中にある性や怒りや苦痛などを抹殺しようとしたことは、実は同じものが自分たちの中にも存在していたからに他ならない
この家族はまるで一つの人格を持つかのように、それ自身と格闘したのである
クローディアは両親に対する挑発者であり、仲介者であり外界への使者でもあった
人は分離する能力を持たずに親密になるという危険を貸すことはない
分離し自分の足で立つ自信があってこそ、怖れずに人と深い関わりを持つことができるのである
家族成員が相互に温かさや思いやりのあることを信じられなければ、真の個性化や自立に向けてあえて挑戦はしないものである
援助する場合、まず世代間の分離が行われることを期待する
クローディアの両親の場合、自分たちの親から実際には独立していないことが次第に分かってきた
子供が子供育ててるから失敗するに決まってるんだよね
次第に分かってきたというか、カールには八割方予想がついてたようだけどね