アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)ブライス家の人々 家族療法の記録、その十六

・カール「ご家族全体としてのストレスを、どのように見ておられるのでしょうか」

デビット父「私が退職したことでのストレスは、最近乗り越えたばかりと思いますよ。家内は、娘がよその街へ行ってしまうのでイライラしているようです」

デビット母「主人の言うことを、まともに受け取られない方がよろしいですわよ。実際には退職なんかしてないんですもの。色んな理事会の合間を見つけては、ゴルフに精を出す事のほうが多いですけれどね」

夫が妻の問題を話したので、お返しに夫のことを説明したという感じであった

カール「ご主人は奥さんの問題を取り上げられ、奥さんの方はご主人の問題を話されたことにお気づきでしょうか」

デビット父「まあ、そう言えばそうですね。でも、それがデビットとキャロリンのことにどう関係するのか、さっぱり理解できませんがね」

私「デビットとキャロリンの関係は、お二人の結婚生活をモデルにしているところがあるのですよ」

カール「もし、あなたと奥さんが、お互いの関係を思い切って親密にすることが出来れば、デビットも自分の家族で容易に雄なじことが出来るはずなのです。つまり、デビットの中には、どこまで親しくなってよいかを教えてくれるサーモスタットがあって、その温度はお二人がデビットの幼い頃にセットされたというわけです。ですから、デビットがサーモスタットの温度をあげようとする時、あなた方も一緒に上げてくだされば、デビットはずっと楽になれるのです。そうすれば、デビットは自分が育った家にある、暗黙の決まりを裏切る必要もなくなるわけですから」

 

私「バーバラ、あなたはご家族の葛藤をどのように見ておられますか」

デビット妹「うちはもうめちゃくちゃなんですよ。お母さん、これだけは言っておきたいの。私の引越しのことで気をもんでいるのはよく知っているわ。でも、そうしなければならないのよ。お願いだからうしろめたい思いをさせないで頂戴」

ほほえんでいたが、今にも泣き出さんばかりであった

私「今の状態は、言わば本当に離れることの出来ないお二人が、もつれた糸のように絡まり合っているようなものなのです」

母娘カプセルとかいうやつ

カール「あなたはご両親の家から出て行く事だけを求めておられるのでしょうか。母と娘の関係というよりも、大人同士の一対一の関係を求めておられるようですが」

 

デビット「今度の仕事のことではまだ頭にきているんですよ。お父さんがお膳立てをしたことぐらい分かっているんですから。自分は操り人形だ、まったく見くびられたものだと感じたんですよ」

デビット「ずっとお父さんのことは尊敬してきたし、これまでの人生は、お父さんを喜ばせようと、やってきたんです。今度という今度はいかに自分がお父さんに守られて生きる仕組みになっているかを、嫌というほど思い知らされましたよ」

デビット父「それはすまなかったな。別に敬われたいなどと思わないし、私に守られて生きてるなんて思ってもらいたくないんだがね」

 

カール「お育ちになった家族はどんなふうでしたか」

デビット父「自分の父のことはよく知りませんでした。父は移民で、何かつまらない仕事をニ、三していました。ほとんど顔を合わすこともありませんでしたが、この上なく尊敬していました」

カール「息子さんとなかなか親しくなれないのは、一つにはご自分のお父さんとの間にそういうモデルがなかったからだと思いますがね、ただし、仕事となると話は別です。お父さんはがむしゃらに働かれたのだろうし、その必要もあったのでしょう。そんなお父さんをあなたが身近に感じるには、同じことをするしかなかったのです。息子さんだって同じことですよ」

デビット父「働くことの何処がそんなにいけないのでしょうか」

カール「悪いと言っているわけじゃありません。ただ仕事中心にしか人生を考えなくなれば、それは大問題ですよ。それは奥さんだって同じことですよ。自分を母親の役割に縛り付けておられるのですから。ところで、ご両親の結婚生活はどんなものだったのですか」

デビット父「それもほとんど知りませんね。結構他人行儀なところがありましたね。けんかをしない代わりに、あまり話し合うことも無かったです」

カール「すると、奥さんが求めておられるような夫婦間に交流のある結婚生活などは、自分の両親の間では見たこともない、全く縁遠いものなんですね。奥さんの実家ではそうした夫婦の交流があったのでしょうかね」

デビット父「家内の所はうちとは反対だったと思います。むしろ、離れられないほど、くっつきすぎていたとも言えるのですが」

デビット母「何かお互いが必要以上に保護しあっている感じでしたね。主人は私の家族が抱き合ったりキスしたりするのを好ましく思ってはいるのですが、依存し過ぎだと軽蔑してもいるのです」

カール「奥さん、あなたはご主人お家族問題に関しては専門家ですね。それにご主人ときたら、奥さんの方の専門家だし。お二人を結婚させたのは、それが理由の一つらしいですな。お互いが相手に求めるのは、ないものねだりで自分の家族には欠けていたものなんですよ」