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これもカシオペアン・チームの推薦書
「キリスト教暗黒の裏面史 ヘレン・エラーブ/ 著 井沢元彦/ 監修 徳間文庫」とあるが、これは文庫版
「キリスト教封印の世界史 ヘレン・エラーブ」というのは単行本版
内容は同じはず
題に「教科書が絶対教えない」とか書いてあるんだが、こういうものこそ歴史の授業で取り上げるべきだろうに
今の、毒にも薬にもならない暗記作業と化している何かよりもよっぽど将来の民主主義を担う一国民を育てるのに役に立つだろうよ
で、ズバリ良い本
なんかの宗教に関わってる人は一読する価値がある
キリスト教に関わってる人は特にね
題名の通りキリスト教の暗黒面を羅列していく内容だが、そこはかとなくニューエイジに繋がっていく感がある
というのも、日本に普通に生まれ普通に育ってニューエイジ系に触れた人には実感がないかも知れないが、米という土地において、ニューエイジ系は確実にキリスト教に対するカウンターという面があるからだ
なので、ニューエイジ系を宗教史的観点から見直すという面でも中々有用な本
唯一至高神の出現、紀元100〜400年
まず注意書きから、「正統派」という表現はキリスト教諸派の伝統的なイデオロギーのことで、特定の宗派や教団を指すものではない
キリスト教初期は教徒の意見はバラバラだった
正統派、神はヒエラルキーの頂点、恐れに基づき、ただひとり君臨する
神を恐れるように、地上の統治者にも恐れを抱くべき
⇔マルキオン派、寛大で情愛のある神性
正統派、司教の絶対的権威や聖職者の序列、聖俗の区別の重視、天の神は一人だから主教も一人のはず
⇔グノーシス派、聖職者の序列・聖俗の区別が無い
正統派、神には男性の顔しか無い、男性優位は天の序列の延長
正統派、復活したのは肉体、それに立ち会った使徒及びその後継者を通してしかキリストを知ることは出来ない
⇔グノーシス派、肉体の復活は「愚者の信仰」、第一発見者はペテロでなくマグダラのマリア、誰でも神に近づける
正統派、境界の教えを素直に受け入れることでしか真理は学べない
⇔グノーシス派、自分の心に目を向けよ、そうすれば真理と知識が見いだせる
無知は悪夢のような現実を生み出す、数々の幻に縛られ「恐怖・混乱・不安・疑惑・不和」を味わう世界
自分を知れば知識が広がり、無知を追い払える
ここらへん、ちょっとカシオペアンっぽいね
正統派、教会は一つであるべき
⇔グノーシス派、教会は形に捉らわれるべきでない
ローマ教皇クレメンス、神の権威を代行するのが教会の指導者、神が定めた権威者に逆らうのは神に逆らうこと、それが誰であろうと死の罰を被るべき
ローマでの政略、紀元200〜500
元々はキリスト教徒はローマ人に嫌われていた、膨大な信者数になったのは政治的な策略によって
信徒の基準を甘くした、「教えの内容を理解できなくても、とにかく信じて権威者に従えば、無知なものでも救われる」
聖書を編集、その他の文書を禁じて全て燃やす
内容の改竄、ケルソス「福音書に異議を唱える者を論破できるから」、何かと理由を付けては真理をころころ変えていた
コンスタンティヌスは統一を訴える教会の教えに魅力を感じる、帝国の公認宗教へ
イエスの死の責任をローマ人でなくユダヤ人に押し付けることで、イエスが反ローマの活動に関わっていた事実を有耶無耶にする
政治的な方法でできあがったのがニケーア信条、イエスを人間と考えてはいけない、三位一体
三位一体は古代の神の描写の真似だが、本来は異なることによる相乗効果を説くのに対し、ニケーア信条の三位一体は同一であることを強調
グノーシス派「ヨハネの秘書」では父母子、ニケーア信条では父と子と中性の聖霊(女性性が消えてる)
キリスト教にはミトラ教とそっくりなところがある、12月25日はミトラの誕生日、誕生を目撃したのは羊飼い、羊飼いはミトラが天に戻る前に最後の晩餐、ミトラの昇天日はイースター、カトリック総本山のバチカンの丘は元々ミトラを祀る洞窟神殿、ミトラ教の最高司祭の称号Pater Patrumは教皇Papaの語源
マリア崇拝も女神崇拝によく似ている、母-息子の神話、イシス-ホルス、ユノ-マルス、キュベレ-アッティス、ネート-ラー
キリスト教以前の女神を祀った神殿はマリア教会に建て替えられた
キリスト教以前の女神には処女・母・老婆の三面がある、マリアは処女・母、老婆は魔女のシンボル
初期の教会は自分たちのイデオロギーを曲げて土着の信仰に擦り寄った