とっても分厚い本。
けど、五分の一くらいは索引と文献目録。
副題には「古代的エクスタシー技術」とあるのだが、ここでエクスタシーというのは忘我状態のこと、トランス状態のことである。
エリアーデという人はすごい学者なわけだが、まあ民俗学って感じなのかな。
色んな地域の色んな部族の神話や宗教儀式等を調べて、本書いたみたいな・・・。
しかし、そういう学問的な部分は私には比較的にどうでもいいことであって、私及びスピにハマるような人にとって興味あることは、世界各地のシャーマンがマジに超能力とか超常現象をやってたっぽいぞ、という部分なのだ。
但し、本の分厚さに比べて、そういう内容はやっぱ少ないので、あまり通読は勧めないかな。
WIKIを見ると、彼は大学者であるにも関わらず結構無視されてるようなのだが、彼は誠実にシャーマニズムについて調べていった結果「どうも本当に超常現象ってあるぞ」ということに辿り着いてしまい、それをちょいちょい論文に書いてしまったためではないか、と私には思われる。
笠原敏雄の言う所の「抵抗」というやつ。
興味深い所をピックアップしてみよう。
参照ページ:307、309、317〜319、380、382、385、465、554、559、571、606、612
30kgもする衣装をつけて、病人の上で跳びはねるが、病人は平気。
燃える炭を飲む、口に含む。赤く焼けた鉄をつかむ。焼いた石の上を歩く。部族全体、さらには部外者にまで火に対する無感覚を植え付ける。
冬の夜、もしくは雪の中で、濡れたシーツを裸体で乾かす。5日間氷海にいても濡れない。
(熱のコントロールについては、エリアーデは特に強気である。「このような離れ業が本物であることは疑いない」)
(ヨガにタパスっていう術語がある。意味は修練・苦行・熱である。本来はこのようなトランスに入って熱をコントロールすること、及びその能力を得るための修練を指したのであろう。今では、「自分を律する」みたいな糞つまんねー意味として通用しているようだ。人類の退化がよく見て取れるだろう。)
自分に剣を刺しても、無感覚で、血も出ない。
真っ暗なテントで、物が空中を飛んだり、テントが揺れる、石・木片が降る。
(物理霊媒による降霊会の現象と同じようだ。こういうことが欧米の交霊会ブームと関係ない時代や地域であったとすると、本物だという感じになってくるだろう)
シャーマンの声を借りて、死者の霊と会話。
(これは交信系の霊媒だね)
呪的手術、患者の腹を割いて、腕突っ込んで、切開部を閉じるが痕がない。この時、手術するシャーマンは燃えるような熱を自らに感じる。
儀式中、シャーマンの脱いだ着物が頭上を飛ぶ、以前死んだ人のため息や深呼吸の音が聞こえてくる。
空中飛翔、姿を消す。
2mくらい飛び上がり、枝から枝へ飛び移る。自由に空間に浮かんだのではないらしいが。
補:おもかる石
神社におもかる石という占いの方法があるのだが、いまいち起源不明のようだ。
本を読んでたら、似たような話が出てきた。
このような占いのやり方は思ったよりも古く、また世界各地であったのではなかろうか?
シャーマンの頭蓋骨を持ち上げて神意を問う、軽いはよし、重いはだめ。
病気治療で、帯で病人の頭を持ち上げる、精霊を呼び出すと頭が重くなる。精霊にした質問が肯定ならさらに重くなり、否定なら軽くなる。