「霊的洗礼」の中で中国の文化大革命は続く:ディストピアの末にたどりついた「世界一幸福な国」で進む毛沢東時代への回帰 - In Deep
その 2日後のウォールストリート・ジャーナルで、「中国の習主席、広範囲にわたる教化推進で毛沢東の危機対応を模倣 (WSJ)」というタイトルの非常に長文の報道というか論説というのか、そういう記事が掲載されていました。
「パンデミック、経済、そして米国との緊張によるダメージを受ける中、中国の指導者は「霊的洗礼」キャンペーンを開始した」
「習近平氏の過去の教化活動の中で、毛沢東の時代をこれほど直接的に傾聴しながら、これほど大規模に推進されたものはほとんどない 」
ここ数カ月、習氏は自らの政治的教義を広めるための大衆学習キャンペーンなど、教化活動を開始した。
このキャンペーンは学校、病院、銀行、裁判所、警察署、軍事基地、礼拝所を駆け巡り、同氏はこれらを、共産党員全員に対する「霊的な洗礼」と表現した。
習主席は 4月の会合で当局者たちに対し、中華民族の復興という使命を果たすために「党全体が思想を統一し、意志を統一し、行動を統一しなければならない」と述べた。
思いっきりファシズムだなあ
しかし、「霊的な洗礼Spiritual baptism」ってのも、まあ何か、「どういうつもりでそう言ってんだ?」って感じだが
悪魔教的な価値転倒ということなんだろうか?
昨年11月には、米ブルームバーグが、「中国政府が経済成長より、安全保障やイデオロギーを一段と重視する」との懸念を述べていたりしたこともありました。
このことが、2023年の今になって顕著に出てきたということのようです。
ちなみに、冒頭の写真にありますが、習主席と最高指導部は、最近、精力的に全国を視察しているのですが、「 5月上旬から、またマスクをし始めた」ということで、一部では疑念、一部では失笑が起きています。
中国のコロナは現在拡大しているようなんですが、中国当局がデータをまったく公表しなくなっていますので、実態はわかりません。
中国は、世界に先駆けて、「完全な民衆コントロール政策」を淡々と行っていました。以下は、2018年4月の記事ですが、中国の人々が「信用ポイント制」で立場や身分が変動していく報道を取り上げたものです。
簡単に言えば、「中国政府の気に入る行動をすることでポイントアップ」「その逆でポイント減算」というものです。
このようになる政策が継続しているのだと思われます。
それだけに、昨年 11月から中国各地で起きて、それがゼロコロナ政策を撤廃に導いたと「西側のメディアでは報道されていた」白紙運動というものも、非常に怪しく感じていました。
中国のエリート大学の学生たちなら、こんなものに参加したことが少しでもわかった時点で「完全なブラックリスト入り」することは確実に知っていると思います。
中国の顔認識システムは世界一であり、マスクをしていようが何だろうが関係ありません。突きとめられます。
このような中国は、どの側面からどう見ても「超絶ディストピア」であることは間違いないわけです。
そんな国に生きていて、「幸せだなあ」と感じることがあると思われますでしょうか。
それが起きていたのです。
これは、今年 3月終わりの報道だったのですが、ちょっと訳がわからないなり疑心暗鬼なりで、一切ふれたことがなかったのですが、「国際調査で、幸福だと感じている人が最も多い国は中国だと発表されていた」ことがあったのです。
調査したのは、中国ではありません。
調査組織としては世界最大規模のフランスにある多国籍市場調査コンサルティング会社であるイプソス社によるもので、3月20日に発表された、「世界の幸福度 2023年レポート」(こちらにあります)が、それを示しているのです。
中国当局が発表するよりはマシだが、このコンサル会社も信用できんの?
2023年3月29日のグローバルタイムズより
最近の国際調査では、中国本土の人々の幸福度が近年大幅に向上していることが示されており、ある調査報告では中国人が世界で最も幸福度の高い国の一つであることが示唆されている。
多国籍市場調査コンサルティング会社イプソスが 3月20日の国際幸福デーに先立って発表した「世界の幸福度2023年レポート」によると、調査対象となった 32の国と地域の中で中国人が最も幸福度が高く、中国人回答者の 91%が幸福度が高いと回答した。国民は、概ね満足しており、10 年前と比べて 12%増加した。
「国がディストピアになればなるほど、人々は幸福を感じるのかよ」と、さすがにどう捉えていいのかわからない面もありますが、あるいは唐突に、「中国ワクチンになんかそういうのが……」などという蒙昧な考えまで浮かびましたが、そういう幸福度に関しての調査結果があったというお話でした。
ただまあ、今後の世界の傾向として、「国家に従順であれば幸福に生きることができる」という感じは拡大するのかもしれません。
まあ、それはそうかもね
多くの国では、大部分の人たちは基本的に国家に従順ですので(たとえば、コロナワクチン接種率を見ると国家への従順度がわかります)、将来的には、国家に対しての信頼度ゼロというような人間は駆逐されていくのでしょうね。たとえば、私のような。
何か色々歪だねえ
今にして思えば、恐怖を煽りまくったものの「あの設定どこ行った?」みたいなやつはいっぱいあるよね。
すぐ思いつくのは、サル痘。
「コロナの次はサル痘か!」と、うんざりしていたところ、あっさり、サル痘終了宣言。
あれれ、そうだったの
「恐怖を煽るだけなのか、次の犯行予告なのか」を区別するのが難しいってのが面倒な所
しかし律儀に終了宣言が出るのはまだいいほうで、人々が「あの話どうなった?」と突っ込まない限り、忘却の彼方に消えていく設定のほうがはるかに多い。
「すれ違うだけで感染:デルタ株に打つ手なし」
すれ違うだけで感染ってすごくないですか?「半径1m以内に近づくだけで妊娠」ぐらいのパワーワードだ(笑)
しかしこのデルタを上回るのが、ラムダ株。
「すれ違うだけで感染」の上をゆく感染力って、一体どんなの?
?「念じるだけで感染」とか(笑)
しかし驚くのはまだ早い。さらにこの上を行くのが、イオタ株である。
その感染力は、デルタ、ラムダを15~25%上回る。
まとめると、こうである。
すれ違うだけで感染するデルタ株よりも、さらに感染力の強いのがラムダ株であり、それよりも15~25%上回る感染力なのがイオタ株である。
デルタ<ラムダ<イオタ
最強と思っていたキャラが、次なる強敵に比べれば実はザコキャラで、その次なる強敵も、さらにその次の強敵に比べればザコキャラで、というこの感じ。ドラゴンボール的な、力のインフレ感。
何かに似ていると思ったら、そう、ボジョレーの感じと似ている。
しかし、この最強の感染力を誇るラムダやイオタはどこに行ったのか?
どこに行ったのか、誰もフォローしてない。布石は回収されないまま、自然消滅した。
ただ、この手の少年誌的(ジャンプ的)な「次なる最強」のあおりは、まだ継続中で、
現在2023年1月時点で、コロナ界(なんやそれ)最強のウイルスはクラーケンらしいです。
しかし2023年5月現在、また下剋上が起こり、現在最強はアークトゥルスとのこと。
実効再生産数はそれまで最強だったクラーケンを上回るアークトゥルス
とか言われても、もう全然入ってこない(笑)人々の恐怖をあおる力は、もはや1ミリもない。
みんなこんなニュース見ても、「もうええって」とか「まだやんの?」としか思っていない。
実際、今「クラーケン」で検索したら、それがコロナの変異株の名前であること自体、情報として出てこなかった(笑)