アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)多重人格障害―その精神生理学的研究 笠原敏雄、その二

境界型人格障害に伴う分裂メカニズムに関与する精神生理学的異常は、大脳半球間に発生した機能性の分離によるものではないか、という推定がある

多重人格障害の分裂メカニズムも、自己愛や境界例と同じ精神生理学的基盤を漏っているのかもしれない

多重人格患者の左右の皮膚電気反応を調べる、という実験から得られた仮説

半球の左右差と交替人格の仮説

1:脅威や不安の意識化、トラウマ的想起を妨げる役割を担う保護者的人格は、左半球と結びついている可能性

2:トラウマを繰り返し再体験する犠牲者的人格は右半球と結びついてる可能性

3:分裂は、左半球の保護者人格と右半球の犠牲者人格を分離する心的機制

4:解離ないし交替は、半球間の神経伝達物質による伝達の機能不全

・人格によって利き手が変わる観察がある

解離の仮説

1:保護的な働きのため、過剰抑制にある交替人格が少なくともひとつ存在し、栄養向性系内のコリン系神経伝達物質の媒介によって活性化する

2:トラウマの再現について過小抑制にある交替人格が少なくともひとつ存在し、仕事向性系内のカテコールアミン系神経伝達物質の媒介によって活性化する

 

多重人格者と多重人格の演技をする人とで、矯正視力及び非矯正視力、視野、顕性屈折、眼筋バランスを調べる

多重人格者は対称群よりも有意に大きい変動が交替人格間にある

「多重人格は嘘だ、演技だ、多重人格は存在しない」という人への解答

 

◯以下、笠原敏夫の秀逸な解説

1980年代から多重人格障害が主に北米で激増

昔の精神霊媒も多重人格者ではないのに、時に身体的変化を伴って別人格を演じた

多重人格者ではない人に、催眠で一時的に別人格っぽいのを作り出すことが出来る

しかし、かなり昔からその状態が知られており、全てを詐病や医原性疾患とみなすのは難しい

 

専門家によれば、この障害の原因は幼少期の虐待、特に性的虐待に求められるという

証拠として、患者の証言を求める努力がされている

が、証言の多くは催眠で探り出されている

催眠で引き出した記憶は、稀な例外を除いて、尽く誤っている

幼児の頃に熱湯に手を突っ込まれた体験を想起して腕が赤くなったりするような、劇的な解除反応が起きても、それが事実であることを示すわけではない

悪魔崇拝儀式による虐待を受けたという申し立てを行う患者が1982年に出現するや、そうした患者が頻出するようになった(から信頼性に乏しい)

幼児期に虐待されたという主張が仮に正しかったとしても、極めて高い相関があるだけで、因果関係があるとは言えない

多重人格とは関係ない性的虐待の調査によると、こうした体験の記憶は基本的には消えにくく、消える者は圧倒的に少ない

そのため、記憶を消している者の場合は、その必要条件が、虐待体験自体とは別個に存在するだろう

私から見ると、笠原敏夫は随分「親」を庇っているように思われる

笠原敏夫の言うようなケースももちろんあるのだろう

しかし、一方でアリス・ミラーとかを読んでいると、不当に「親」を庇う態度が世の中に蔓延している、というのもあるだろうって気がするんだよね

「良くない親に育てられてる人に限って、親を理想化する傾向がある」とかもあるしさ

私はいちいち個々のデータを調べる気力もないし、どっちが正しいのか、もしくはどっちが世の中でどういう割合なのか、分からない

 

記憶を消すのは、患者自身の責任や自己主張に関係するもの、ではないか?

多重人格は、自らの責任を引き受けることに抵抗する戦略

精神分裂病とある意味で似通っている

これは笠原敏夫独特の幸福否定理論に基づく話

 

最近、催眠や偽薬効果を、内因性オピオイドを持ちだして説明しようとする立場が台頭してきている

が、陰性の偽薬効果や反偽薬効果を説明するのが難しい

陰性の偽薬効果:本人が意識して予想しているわけではないのに、本来の薬の持つ副作用が出ること

例、抗癌剤の偽薬で、嘔吐や脱毛起こる

反偽薬効果:はっきりした物理的原因が存在しないにも関わらず、本人の否定的予測に沿った形で現象が起こること

 

カシオペアンによれば、多重人格者はOP(魂の入ってない人間)である

但し、魂入ってる人間でも憑依で多重人格っぽくなることはあり得るそうだ

また、多重人格をグルジェフ風に表現するならば、「結晶化に失敗した」人となるだろう

残念ながら、こういう人は死ねばすぐ消滅し、ケスジャン体で生き延びることはできない