アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)ソビエト心理療法 暗示・催眠、その一

もう、なんかタイトルがいいだろう?

ソ連ってだけで、資本主義諸国民にとっては何か神秘感がある

裏舞台でアメリカと超能力開発競争とかしてそうだし

そして、それプラス「暗示・催眠」と来たもんだ

ソソられるよね

 

読んでて気になることがある

それは唯物論である

ソ連と言えば、マルクス主義

マルクス主義と言えば、弁証法唯物論

というわけで、唯物論教の国なんだよね

これがどういうことかと言えば、中世ヨーロッパにおいてありとあらゆる学問にキリスト教の考え方を浸透しているように、ソ連においてありとあらゆる学問に唯物論が浸透している、ということだ

読んでると、そこらかしこに、こいつが絶対的な真理として現れてくるんだな

 

でも、催眠という現象は最も唯物論から遠いものというか、なんか反唯物論っぽいものな気がするけどね

そこらへんこの本の著者、というかソ連の催眠学に関わった人たちは気にならなかったんだろうか?

つまり、唯物論からすれば、肉体があり、脳があり、意識がある、という順番なはずだ

しかし、催眠では、言葉をかければ肉体が変化するから、意識があり、脳があり、肉体がある、という順番になる

それで、矛盾する

・・・と、私は思うんだけどねえ

 

で読んだ結果、まあ、思ってたよりも普通

この本は多分ソ連の催眠学の教科書なんだと思う

この本の1/3は心理療法全般の普通のことが書いてある

例えば、医者は患者に無神経な態度で「病態が絶望的だ」と示唆することを言ってはならないとか

で、残りの2/3は催眠の話

「トランス―心の神秘を探る」という本でも読めば分かることだが、催眠を色んな人にかけて行くと、偶に超能力としか言い様がないような現象が起こるらしい

例えば、テレパシーや遠隔透視、過去世として語ったことが事実だったとか・・・

さすがに、そういう話は出てこないんだなあ

私の興味の引いた部分だけ取り上げるとしよう

 

二世紀エジプト、「パス」と称するマッサージと閉眼が用いられる

古代ユダヤ人も催眠を知っていた

バラモン教の僧侶、古代ケルトの僧侶、シャーマン、回教の托鉢僧、自分の体を切っても焼いても痛みを感じない

ローマの作家、マルツァイル、アプレイ、プラフトは、呪文を唱えて手で触るだけで人を眠らせることができるのを知っていた

ヘロネイのプルタルフが書くには、エピラ王は足で触れるだけで人々を深い眠りに誘い込むことが出来た

紀元一世紀、盲人と麻痺患者にセラピスという神が現れ、盲人はベスパシアンという証人に唾を目に塗ってもらうと視力回復、麻痺患者は皇帝の踵で触れてもらうと全知すると言う、ベスパシアンは公開の席上で実演した

これって福音書でイエスが盲人を治した話の元ネタなんじゃないのって気がするが

ノルウェーの国王オラフ二世は彼の死体でさえ治癒能力を持っているとされた

イギリスとフランスの国王は接触するだけで甲状腺腫を治す力があると信じられていた、イギリス国王ウィルヘルム三世オランスキーが甲状腺腫の患者の治療を拒むと社会問題となった

中世、パラツェルスが初めてメスメル的な意味で「磁気」という言葉を使った、バン・ゲルモント、マックスウェルとロバート・フルード、磁気の考えに反対したのがエスイタ教の神父キルヘル

18世紀初頭、ドイツの司祭ガスネル、アントン・メスメルの動物磁気学説

パス:病人の体から一定の距離を保ちながら、頭から足の方向へ流暢にリズミカルに手を動かす方法

気功とかも似たようなことやってる気がするなあ

但し、この唯物論的立場の本では、暖かな風の刺激が催眠を誘導するとしており、手から動物磁気やら気やら何かのエネルギーが出ているわけではないとする

機械で温風を出して催眠状態にする、という実験も成功したとある

夢がない

まもなく、パリの多数の医師がメスメルに反対、催眠術を研究するのは科学者にらしくないこととされる

その後、マンチェスターの外科医ジェームズ・ブレイドが催眠術の研究、光るものをじっと注意深く疲れるまで見るという催眠誘導法

 

キエフ国家の時代にペチェルスキー修道院でショックと言葉で治療、グリゴリー

モスクワ公国、ロシア国の修道院、説教と祈祷と薬草による治療

で、ロシアでも催眠の研究が続いていくのだが

1878エンゲルス「心霊界での自然科学」、催眠現象が「超自然的なもの」だという確信を打ち破った

エンゲルスも催眠を研究してたらしい

 

さて、読者は「パブロフ」と聞いて何を思い起こすだろうか?

多分、パブロフの犬のことを思い起こすだろう、そしてそれ以上は何もないだろう

私もそうだった

しかし、パブロフは催眠の研究もしてて、ソ連においては催眠の唯物論的な(つまり、正しく真理である)基礎学説を作り上げたのは彼だとされている

犬に条件反射を形成する時、パブロフは睡眠現象に直面した

当然条件反射の研究の邪魔なのでそれを回避しようとしていたのだが、後に動物の催眠現象自体を研究するようになったようだ

動物も催眠状態になるんだねえ

単調な持続的な刺激、温刺激、皮膚刺激、明滅、リズミカルな音、その他に犬は眠気をもよおした

犬のカタレプシー等が観察された

いまいち私は理解できてないが、催眠現象は大脳皮質から始まってるという説明をすれば唯物論的な真理が証明されたことになったらしい

パブロフ「暗示は人間の最も単純化された典型的な条件反射である」

こういう感じのノリだ

(催眠による)心理あるいは高次神経活動の変化、第一信号系(五感からの生の情報)と第二信号系(生の情報を解釈した意味)における変化、植物神経系における変化などは、以前は極めて謎めいた光景を呈していたが、現在は大脳生理学の基本的な事実と概念によって説明しつくされている