セス・ブック3冊の紹介と感想『セスは語る』『個人的現実の本質』『セス・マテリアル』 - 私的空間
セスを取り上げる人が出てくる、というのはいい傾向だと思うな(「いまさら?」ってのはあるけど、実際、日本で今まで取り上げてくれる人があんまりいなかったのだからしょうがない)
ニューエイジの始まりはこれだ、と思うのでね
こういう古典を踏まえてこそ、現代の諸々のスピリチュアルの理解も筋道だったものになる、というものだ
ただ、まあ、ちょっと時代遅れなのも否めないんだけど
例えば、悪宇宙人に関する言及とか無い
メインの教えの一つ、「蓋然性」probablity の概念を最初に知った時は、かなり当惑する。この蓋然性は、説明が簡単ではない。
セスによるとこの世界は多重宇宙で、その体系の中では、思考したことや実際に行動したことまでも含め、すべての事象が同時進行で起こっているという。
ちなみにprobablity は、『セスは語る‐魂は永遠であること』では、「確率的偶然性」と訳されている。
所謂、「時間は存在しない」というやつだ
エイブラハムはこれについて何も言わないんだよね(私の知る限り)
これはちょっとエイブラハムの特徴として意識しておいてもいい
10巻あるセス・ブックの中で、日本語訳があるのは代表的な3冊のみ。
残念ながらそうなんだよねえ
多分、これ以上増えないかな、という気がするね
結構お硬い内容で、人気がいまいち出ないだろう、という気がするので
セスの本①『セス・マテリアル』の内容紹介
前半、ミディアム(霊媒者)としての初期のジェーン・ロバーツの葛藤が描かれていて興味深かった。読者目線で疑問を投げかけ、セスの教えが披露され、その世界にどんどん引き込まれていく。
転生する理由は明白で、本来の意味でのカルマはないそうだ。罰は一切関わることなく、ただ「気づく」ための訓練のとのこと。
またセスは、転生も同時進行しているという。
内なる自己(=エイブラハムの内なる存在)は、それぞれの転生先で、分身である並行自己を、一つのネットワークを通じて切り盛りしていることが衝撃的だった。
並行自己同士は家族のような繋がりを持ち、ふとした拍子にひらめきをもたらしたりするそうだ。そのうちの一人が気づきを得ると、それ以外の並行自己も収まるべきところに収まるらしい。
「時間は存在しない」という立場からそうなる
セス以前の輪廻の考え方では、前世は終わったことでしかない
セスの本②『セスは語る‐魂が永遠であるということ』内容紹介
セスの口述をジェーン・ロバーツが伝え、ロバート・バッツ氏が記録するという独特のスタイルで、合間にセッションの様子なども記載されていることもあり、ボリュームが凄い。
このスタイルはかなり読みづらかった記憶がある
蓋然性を身近な例で挙げると、私たちが「もし別の配偶者と結婚していたら、あの時違う道を選んでいたらどうなっていたか」などに、思いを馳せることが当てはまる。
セスによるとそれらは全て、無数にある蓋然性の出来事として「実際に起きた事実」であって、単に知覚しなかっただけのことだという。
しかも過去も現在も未来も同時進行中だという。本質的には、私たちは時間と空間に縛られないということになる。
全てが幻想で錯覚にすぎないので、その意味では過去も書き換え可能、とはなかなか魅力的な話だ。
過去を変えられる、ってのはたまに聞く
他にも、セスの預言めいたキリスト再臨の記述が、個人的にとても気になる。本の方では来世紀となっているが、書かれたのが1900年代後半からすると、預言は今世紀に起きることとなる。
具体的な年数はここでは差し控るが、時期的にははるか遠くというわけでもない。
セスでさえも、予言はあんまり重視しないほうがいい気がするかな
付録かなんかで、イエスの生涯についてのセスの口述があったりしたと思うが、結構めちゃくちゃな内容だった記憶がある
セスの本③『個人的現実の本質ー日々の問題を解決し、人生を豊かにするための具体的で実践的なテクニック』内容紹介
セスの本で、実践的な内容と言えばコレ
しかし、それでも、エイブラハムの方が詳細で、遥かに優れているけどね
自分の思考は、核となる特定の思考を中心として形成されていくらしい。物事が思い通りにいかない時は、核の観念を調べて置き換える必要があると、セスは力説する。
「自分が自分の現実を創っている」の基本に立ち返ると、例えばお金持ちになりたいと願っていても、核の観念に(自分でも気づいていない本心のようなもの)「自分は無価値な人間だ」があると、それが障壁となって実現化がほど遠いらしい。
だから願望実現化云々より前に、ブロックしている思考の大元を調査し、新しい思考に一新する必要がある。
よく言われるよね〜
ただ、このやり方はエイブラハム的というよりかはバシャール的
特筆すべきは、「パワーのポイントは現在」の真の意味を、セスが明らかにするところだ。
またセスは、感情を溜め込むのはいけないが、無理に抑圧せず、ある程度は表現するよう教えている。
機械的にそれ(ネガティブな感情)を悪いものとして、絆創膏のように「ポジティブな観念」を当てはめてはいけません。
引き寄せに関する最もよくある誤解かな
これが分からない人が昔から一定以上多数いるようだ
筆者は最近、セスブックを原文で読み始めている。セスが残してくれた教えを単語一つ一つから学ぶのは、まさに心震えるような体験というしかない。
素晴らしい!