アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)ブライス家の人々 家族療法の記録、その八

・六回目面接

カール「どれもこれも実に良いタイミングで起こったものですね」

彼女がキャロリンを激昂させたときにデビットが偶然にも居合わせたという事実をカールは指摘して言ったのである

多分、無意識レベルでわざとやってる、ということなんだろう

 

カール「長い間にお二人はそれぞれ怒りを蓄積してこられたので、身体から吐き出す必要があったのです。今夜のお二人の喧嘩は本当なら十年前に解決しておくべきことだったのです」

カール「本当の解決とは誰が誰の上に立つとかいう問題から一歩進んで、人と人との関係をより良く発展させることにあると思います」

 

デビットとキャロリンの結婚について取り組もうとしていたやさきに、なぜこんな爆発が起こったのだろう

私「お母さんとお父さんの居心地の悪さを救うために、家族は君とお母さんの戦争に後戻りする方が良いと無意識に決めたのだと思うよ」

 

・七回目面接

キャロリンはなぜデビットとは喧嘩をしなかったのだろうか

ドンとローラはなぜいつもキャロリンの小言を免れていたのだろうか

家族内の全てのストレスが特定の関係に集約されてはならないのである

家族が全体として争いを処理できるようになれば、家族の生産的な働きが活発になってくるはずだった

 

カール「家族はストレスを解消するまでに、三人も四人もスケープゴートを選ぶことがあるんだ」

 

激しく感情をぶつけあうことによって、キャロリンとクローディアは二人で一人の人間ではなく、個々別々であることを認識する必要があった

分離が出来て初めてそこに適切な世代間の距離が生まれ、同時に温かい関係が作られることになる

 

この家族の治療過程での進歩を振り返ると、家族自体が目標達成のために葛藤の中にも治療的な「出来事」を創造してきたことが分かる

初回面接に家族は意図的にドンを連れて来なかったわけではないし、泣いているクローディアを部屋から出そうとしたのでもない

 

「健康への逃避」、家族はあまりの急激な変化に怖気づき、治療者から逃げる口実を設けるために、成員相互間に善意があるように「見せかける」のである

こうして家族は「治った」ということで意見を一致させ、変化がもたらす不安に対処するのである

 

私「あの家族の一人と個人治療をやっていくなんて想像できますか」

クローディアが分裂病になってオワリの可能性が高かったであろう

 

夫婦は自分たちに葛藤があることやその責任が双方にあることを認めると、問題解決のために治療を受けることを決心する

その時期は早ければ早いほど良い

しかしながら、世間にはブライス一家に似たような夫婦や家族が予想以上に多い

夫婦はお互いの依存度が非常に高いために、関係の崩壊を極度に恐れるあまり、自分たちの問題の重大性を認めようとはしないのである

心理療法の中でも夫婦のそれは、結婚生活上の触れられたくない問題が「暴露」されるのではないかという不安を与える

そこで夫婦は安定感を求めて不確実で苦痛を伴う体験をするよりも、結婚問題に取り組むこと自体を一致団結して抑えてしまうのである

夫婦に巻き込まれる子供は様々な「症状パターン」を出してくる

多動、不眠、成績不振、夜尿、吃音、登校拒否、暴力、拒食など

配偶者の一方が無意識の内に「問題の人」になる場合もある

鬱状態、緊張による頭痛、仕事上の不安、不眠、飲酒、胃潰瘍、高血圧、また子供や上司との衝突、恐怖症

一般的に夫婦のいずれか一方に「症状」が出るのはなぜだろうか

それは二人が結婚生活だけではなく、家族全体を守ろうとするためである

そうすれば少なくとも配偶者の一方が現実の世界に直面せざるを得なくなり、他方は不安を表出することに「専念」できるからである

そこで「病気」になった配偶者は、危機が基本的には夫婦間のものであっても個人治療を受けることになる

この決断は将来重大な結果をもたらす可能性がある

 

家族の中で一つの症状が生じる場合、二つの矛盾する傾向が現れる

ストレスは家族の一人に「集中して」現れるために、一時的にせよ、真の葛藤が結婚にあることから目を背けられる

もうひとつ、危機に陥った本人がやがて家族以外の者と連携を持ち、家族システムの平衡が崩れて危機を表面化させる

 

夫婦は問題の直視を回避するためにさまざまな策略を寝るのであるが、中でも浮気はその一般的なパターンである

それは結婚の行き詰まりを打開しようとする必死の試みなのだが、そのために二人は破局に瀕するか、それ以上の絶望的な状況に追い込まれる

浮気は他の多くの夫婦問題と同様に、夫婦によって直感的に「計画されたもの」というのがわれわれの捉え方である

夫婦間で無意識にそれに関する合意が前もって出来上がっているのである

夫婦が共謀して浮気を計画するとき、二人はその継続期間や「発見」に至る過程さえも綿密に計画するようである

この世間一般の見方の超えっぷりはどうよ?

こういうの読んでると、スピで言う所の「魂のレベルで合意してました」みたいな説明が思い浮かぶんだがね

 

われわれはこの夫婦ブライス家とは別の、浮気問題を持っていた夫婦)がこうした危機に直面することをそれぞれ無意識に感じながらも結婚したと確信している

すなわち、この結婚はそれぞれの人生で中核的な意味を持つ恐怖心に二人を直面させる関係なのであった

二人はお互いにフロイトが言うところの反復強迫に直面し、今度こそは解決しようとしてはその恐怖を再現していたのである

夫婦は自分たちの生育した家族に存在する根本的な葛藤を再び体験して不安に陥るが、これは悪意からではなく、お互いに共謀して無意識の内に成長しようとする試みであると考えられる

これが魂の学びってやつだろうか?

 

こうした絶望の淵にある夫婦は心理療法を受けるか受けないかで、その後の人生の安定性が左右されると言っても過言でない