アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)ブライス家の人々 家族療法の記録、その十ニ

・キャロリンが悲痛な感情を浄化するように吐き出したことは、これまでの辛抱するだけの生活に終止符を打つ時期の来たことを物語っていた

夫婦の危機は、今こそ成長すべき時だという彼女の無意識の心構えと無関係ではなかったのである

キャロリンは自信喪失や自己矛盾にさいなまれながらも、巧みにそれらをごまかして生きてきた

この場に及んで、ついに自分の周りを見る覚悟が出来たのである

今や彼女の気持ちは上昇の一途をたどるように思われた

彼女は結婚生活を円滑にすることを「あきらめる」代わりに、いかなる犠牲を払ってでも自己を探求する人として、最初に「選ばれた」というわけである

夫婦問題が恒久的に解決されるには、双方がそれぞれに独立心や有機、それに自身をさらに強めていくことが必要なのである

夫婦によってはお互いゆっくり共に成長する場合や、夫が変化を引き起こそうとする場合もある

しかし、大多数では女性が先駆者

ブライス夫妻の問題は単に「夫婦間の問題」として片付けられる性質のものではなかった

というのも、夫婦はそれぞれ自己の確立に失敗したことを露呈していたからである

スケープゴート戦略ってのは、結局これを隠してるんだよね

 

逆説的な語りかけを創造的に活用するカールの非凡な才能

私は以前「逆説心理療法 ジェラルド・R. ウィークス, ルチアーノ ラベイト」という本を読んだことがあるのだが、なかなかおもしろい

治療的ダブルバインドとかね

「色んなカウンセラーを巡り、カウンセリングを何年も続けてるのですが、一向に良くなりません」みたいなことを言うタイプの奴に、「どうせ私のカウンセリングでもよくなりませんよ、むしろ悪くなりますよ」等と言ったりすると良くなるのである

こういうタイプはただ人に反抗したいだけ(しかもそれを自覚できない)のいささかサイコな奴なんだよね

こういうクズ相手でも手玉に取れる、という中々プロフェッショナルな技法だ

 

キャロリンは自分が生まれ育った家族に関心を持ち始め、もっと詳しい情報を得ようとして、年老いた両親の元へ二度も旅だったのである

それは両親との関係が変化する兆しでもあった

キャロリン「母と居るとどれほど消極的になってしまうか分かって驚きました。私は無為徒食の父親を持ったために仕事一辺倒の人と結婚したのでしょうか。母があれほど父をないがしろにしたものですから、自分を犠牲にしてまで夫に尽くそうとするのでしょうか」

 

キャロリンが洞察を深め、活力の高まりを感じ始めるにつれて、どうしても物事の両面を考えざるを得なくなってきていた

自分の可能性に気づき始めたが、日常生活ではそれほど違いが生まれたわけではなかったからである

悩みの種は毎日相変わらず退屈な家事を繰り返さねばならないことであった

キャロリン「もしパートの仕事でもしたら、家の者は耐えられるでしょうか」

デビットにしてみれば、妻が家事に専念してくれた昔の快適な関係が再現されるなら万事好都合で、キャロリンが「母親」として家庭を守ってくれればよいと思っていたのである

「女性の社会進出」とやらの本質的な意味ってのはここらへんにあるんだろう

つまり、いい年してやっと個の確立を始めた女性という話であって、働く場とか男女平等とかそういうのは二義的なことだ

社会で活躍してるキャリアウーマンとかいるだろうけど、「そいつがきちんと個の確立をしているのか?」というのは疑問だ

恐らく、デビットの女版になるだけ

有給の仕事につくことは、とりわけ夫との平等な立場を広げる可能性を持っているのである

男女平等ではなくて、病的家族の夫妻平等の話なんだよね

 

デビットは、妻の関心が家族以外に向けられるのがはっきりするにつれて、言葉にはならない不快感をつのらせてきていた

われわれは彼をもっと深く治療に関わらせようと絶えず努力していたが、それは功を奏していなかった

彼は妻の努力に対して表面上は相変わらず寛大で、いかなる援助さえ惜しまないという態度をとっていたが、心の奥底では明らかに脅威を感じていたのである