◯改めて「奇跡のコース」という本について考えてみると、微妙だ
論理的体系としては本当に完成度が高い、と思う
しかし、それは、本に書いてある本文についてだ
コースの本文においては、著者がイエスである、とか、輪廻転生がある、とか、アトランティス、とかに関して触れていない(転生については触れているが、あるとは言ってない)
しかし、コースを書き留めたヘレンには声の主が「自分はイエスだ」と言っていて、ヘレンはそれを信じていたし
ヘレンがイスラエルに旅行した時には、過去世を思い出して泣いたりしてたし
コースを編集する時に省いた部分には、アトランティスについて言及があったりする
コースという本、論理的完成度の高い本、それ自体においては、こういう要素は要らないものとして出来上がっている
しかし、この本を書いた人間、その顛末等を含めると、途端にこういう普通のニューエイジ成分が入ってくる
すると、コースの本文の論理性の高い宇宙論とは別に、本当に歴史的にイエスという人が実在したのか、コースを書いたのはそのイエスなのか、輪廻転生は本当にあるのか、アトランティスは本当にあるのか、みたいなことが問題になってき得る(だから、こういう部分をカットしたのだろう)
すると、色んな歴史考証をして、イエスってのは想像上の人物に過ぎないので、そんなのが書いたとか自称してるコースは駄目、という風に、全然内容に触れずに切り捨てることもできてしまう
ゲイリーの本ってのは、イエスが実在して12弟子が実在して、その転生の結末であるアセンデッドマスターが現れて、コースについてアレコレ解説した、というものだ
ゆえに、ゲイリーはコースの本文からはみ出した問題を提起したようなものだ
つまり、ゲイリーの本というのは、まあ一先ずコース本文と矛盾するとは言わないが、コースの編集方針とは矛盾するものである、とは言えるだろう
こんなことになるのであれば、Jはヘレンに対して、イエスが実在したことを証明するようなことを話し、自分がそのイエスだと証明し、輪廻転生も肯定した上でその詳細を解説する・・・等ということを書取らせて、コース本文の中に入れさせることをやっておくべきだった
◯個人的に気になるのは、ゲイリーがJことイエスが歴史的に実在した、という立場を取っていることだ
カシオペアンのチャネラーのローラって人は元々キリスト教教育を受けて、まあそれなりに信者だったんだけど、スピとかニューエイジの方向に行った人
ゆえに、キリスト教を暴こうとするんだよね
で、その結果、イエスは基本的には実在の人物ではない、新約聖書の物語を生きたような(モデルとなった)一人の人物は無理、ってことらしい
色んな人、色んな伝説を混ぜて、作った神話的登場人物に過ぎない
その上で、強いてモデルとなった人を示すならば、カエサルということなのだそうだ
彼は死後彼は神格化されて、菅原道真が学問の神様になったように、一種の神様として崇められるようになった
これがキリスト教の土台、というんだな
このローラって人は中々偉いのが、チャネリングでこうだって言われたからこうだ、ってのに留まらず、きちんとスピリチュアルな情報源以外の、大学教授やらの本を多読して、裏付けを取ろうとするんだ
一方で、ゲイリーはアセンデッドマスターがこう言ったからこうだ、で留まっている
そうすると、どうしても説得力が無いんだよねえ
◯しかし、アーテン、パーサもけち臭いな
ゲイリーの前だけでなく、ゲイリーのファンの前とか、その他大衆の前に現れるくらいできるだろうに
それで奇跡の一つや二つ見せて、コースに関して演説してくれれば、私も多少はコースに熱心になろうと思えるけどな
なんで駄目なんだろうね?
ゲイリーの前にしか現れないのは、メッセージをいじられたくなかったから、という理由を本では挙げてある
それでも、ゲイリーのワークショップで現れるくらいいいじゃんね?