こちらのサイトで紹介されていて、興味が出たので読んでみた
内容はそのまんま、景気循環と太陽活動の循環が相関しているという話
単なる思いつきとかでは全然なく、昔からある由緒正しい説であり、実際に相関していて、どうして相関するのか、等ということを学問的にきちんと説明しようとしている
真面目な本である
四柱推命で正印と偏印という概念がある
印というのが学問という意味があるけれど、正印というのは主流、偏印というのは傍流である
世の中に真っ当なものとして認められているかどうか、と考えても良い
易の考えでは、何事にも陰と陽があり、正と偏があるのだ
医学で言えば、西洋医学は正印であり、その他の代替医療は偏印でありそうだ
これを同じように経済学に当てはめると、この本の内容は経済学の偏印と評価できそうである
実際ちょっと占星術チックなのだ(占星術はモロに偏印的である)
満月の時には犯罪率が上がるとか、そういうノリに似ている
1:キッチン・サイクル=約40年
2:ジュグラー・サイクル=約11年
3:クズネッツ・サイクル=約22年
4:コンドラチェフ・サイクル=約55年
1876〜1932に至る55年間において、太陽黒点数の変化と穀物生産の年変化との間には、何らの明確な相関も存在しない
同期間における太陽黒点数の変化と農業を除く鉱工業生産の年変化との間には密接な相関がある
1920〜1932にかけての太陽放射量の月次変化とアメリカの景気動向指数の月次変化はきれいな逆相関
大恐慌の始まった1929の太陽放射量の月次変化とニューヨーク及びロンドン株式市場の株価の月次推移とは見事に逆相関
黒点群の消長は太陽活動の指標となるもの
シュワーベ・サイクル、11年周期
ヘール・サイクル、22年周期
吉村サイクル、55年周期
80年周期もある、と書いてある
1645〜1715における極小期のように、黒点群の活動が極度に衰え、相対黒点数がゼロになるような期間が過去数千年において何回かあった
太陽活動が以上に低かったとされるマウンダー極小期には、「小氷河期」と呼ばれる寒冷期がやってきている
今現在は地球温暖化が進んでいる、というのが主流科学における通説であるらしい
が、今現在黒点は減少傾向にあり、それから考えると、地球は氷河期へ進んでいそうだ
そういう説は反主流ではあるがいくらかあって、カシオペアンとかも氷河期へ進んでいる説である
太陽定数、変化の幅こそ0.2%にすぎないものの、11年周期、注目すべきは完全に太陽黒点数と逆サイクル
以上のように11年周期程度の短い期間では逆相関傾向、しかし長期で見た場合には正の相関
黒点群で代表される太陽活動と太陽の輝度との関係が、長期と短期で逆転する
1764〜1900のペテルブルグ、1800〜1900にかけてのロシアの総死亡率が太陽黒点周期と一致している
ペスト、コレラ、インフルエンザ、回帰熱、脳脊髄膜炎、ジフテリアその他の伝染病、病虫害、いずれも太陽活動とピタリと対応している
チジェフスキーは、戦争や革命など人間の不穏状態に関する兆候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした
かなりオカルト思想で言われてることに似ている
太陽活動が活発な日には、静穏な日と比べ、心筋梗塞と狭心症の発作が20%多い、入院患者数増加
心筋梗塞や脳卒中などが、黒点が太陽の中央子午線を通過した時に84%の確率で起こる
黒点の出現から二、三日間の自動車事故件数が、黒点の少ない時の4倍
太陽活動が特に活発な日には自殺が8%増加
精神病院への入院が太陽フレアと相関
超低周波ELFとして知られる、ある種の強い電磁波の乱れによる音波が、自動車事故の発生率を高める
狭心症を除いて、一般に黒点よりも地磁気活動のほうがやや心臓血管病との相関が高い
このようなことは、目の病気、特に緑内障、腎臓病、胃潰瘍、てんかん、リューマチにも見られる
地磁気と伝染病との関係については、肺動脈出血や結核の他、天然痘、赤痢、ポリオ、猩紅熱の発生や死亡者数に密接な相関がある
太陽活動や地磁気撹乱は、ヒトの精神活動を乱すことが知られており、精神分裂病の患者数は10年の周期的変化
人間の血液凝固速度が太陽活動と関係している
太陽黒点が太陽の中央子午線を通過する時、血液凝固速度が二倍以上に高まった
高度の上空では反応は著しく高まり、鉱山の底や日食中など低下する、太陽放射線のみが劇的な影響を与える
太陽黒点とジュグラー・サイクル(名目投資率)
アメリカのジュグラー・サイクルと日本のジュグラー・サイクルは山谷が逆
ニューヨークの気温は太陽黒点や東京の温度に対して逆サイクル
NYダウ株価、太陽黒点数
黒点・気温・国民所得はほぼ並行、物価・歳入は少し遅れ、降水量・人口増加率はほぼ逆
太陽黒点数と日本の結婚件数の変化
ヘール・サイクルと降雨量、干ばつ
偉人の誕生曲線の山の周期は平均22.7年
ヘール・サイクルとクズネッツ・サイクル
ヘール・サイクルと日本のGNP成長率
ヘール・サイクルと日本の輸出入比率、製造工業生産の成長率、、産出単位あたり通貨、卸売物価
ヘール・サイクルと戦前日本の預金払い戻し額の変化率
ヘール・サイクルとダウ・ジョーンズ商品現物相場指数
価格の波動としてのコンドラチェフ・サイクルは、太陽活動の吉村サイクルに逆相関
吉村サイクルとイノベーション、順相関
アメリカ実質経済成長率の長期波動と太陽の輝度指標、逆相関
吉村サイクルは気候変動にも大体同一周期の長期波動を生み出している
北緯70-85度の高緯度帯における寒候季の気温偏差とアメリカの卸売物価指数、逆相関
今後吉村サイクルは1995-2000ぐらいに山、2030前後に谷
資源危機論のほとんどが、コンドラチェフ・サイクルの上昇局面の、とりわけピークのやや手前あたりで出現
コンドラチェフ・サイクルの原因を気候変動のサイクルに求めることは十分な根拠がある
私は、歴史というものを、単に一回生起的、非可逆的過程ととらえるのは、あまりにも進化論的発想にとらわれすぎた見方だと思う
コンドラチェフ・サイクルの概念は、循環論的な見方である
歴史はある一定の期間を置いて繰り返すとみる
キリスト教が他宗教を滅ぼすまでは、時間は循環的であると考えるのが普通だったとか言われたりする
インド哲学のユガ、中国の易とかもそう
ニューエイジでも、現代アメリカはアトランティスの再来とか言ったりね