80〜90年代、あまりに急速にたくさんの変化が押し寄せた、すさまじいストレスと疲弊感が従業員と企業を襲った、テクノロジーは企業が追いつけないスピードで進化
対応方針や手順やシステムを作る時間的余裕がない
従来の官僚型企業が安定と一貫性と予測可能を前提に作られたのとは対称的に、「過渡期」の企業は不安定で矛盾や予測不可能な要素に満ちた将来を目の前にしてより流動的な組織にならざるを得なかった
数多くの管理プロセスを廃止せざるを得なかった
中間管理職が撤廃され、企業はよりフラットになった
サポート業務は完全に外部委託されるか、完全に別の場所に移されるようになった
以前のような従業員の長期雇用を維持できなくなった、ついに雇用主と従業員の関係が一時的な雇用関係に過ぎない世界が出現
このような混沌とした状況で生き残るためには、素早い判断力、強い自己主張、適切な説得力
起業家精神が重要だが実際に導入するのは難しい、1現職の経営陣や管理職は自分が要らなくなるようなビジネスモデルは受け入れがたい、2従業員に忠誠を期待しにくくなり、「どうしてこの会社はこんな状況になってしまったのか」という従業員の疑問に向き合わねばならない、3会社のためになると分かっていても率先して既存の権利を捨てることはめったに無い、4現役の従業員は起業家精神溢れた新入社員を支持しようとしない、自分たちよりも注目を浴びているように見えるから
老害ってやつだね
これ、ばっちり日本にも当てはまっちゃう気がする
新しいタイプの企業にサイコパスは魅力を感じる、1サイコパスは変化に興奮を覚える、2筋金入りの掟破りであるサイコパスは自由な行動が許される社風に馴染みやすい、3日和見主義者であるサイコパスは傍目からは分からないやり方で他人を利用する
めまぐるしく変化し続ける環境でよいリーダーシップと悪いリーダーシップが曖昧
短期的な結果らしきものは見せ方を工夫すれば欺ける
起業家タイプのリーダーを求める企業にとって、サイコパスはいかにも将来のリーダー候補にふさわしく見える
いったんこのレッテルが貼られてしまえば、他人を騙しても虐待しても、傍目には優れた経営管理手法に見えてしまう
変化を伴う混乱の時期には秘密要素が増える傾向にある、サイコパスは隠れ蓑を作りやすくなる
これからも当分はサイコパスに有利な時代だなあ
サイコパスは全人口の1%、グレーゾーンは10%
経営陣・管理職の1%はサイコパス
サイコパスにも衝動性の高いのと高くないのがいる、一部は食欲性欲などを満たそうとし、一部は権力支配名声などを満たそうとする
巧みに立ち回り魅力と口の上手さで操るのもいれば、それが下手で心理的ないじめに訴えるものもいる
「操り屋」
策をろうし、利己的で浅はかで、他人を操っては平気で嘘をつく
責任を取ろうとしない、他人のせいにする
得るものがない人間には無礼で冷淡な態度を取り、自分は優越感と特権意識に浸る
にも関わらず、話をでっち上げて他人をたぶらかす才能で、巧みに相手との関係を築く
見るからに野心満々、でも長期的目標はない
「いじめ屋」
威圧的な態度、暴言、侮辱、嫌がらせ、攻撃、恐怖によって思い通りに振る舞う
他人の権利や感情を無視し、伝統的な規範や社会マナーを破る
執念深く根に持ち仕返ししようと待ち構える、自分より弱い人間に狙いを定める
挑発・侮辱・無礼な言動に喧嘩腰になって過剰反応する
心理・体型・体格は様々
劣等感、人付き合いが苦手等、心に深刻な問題を抱えている
職場限定のいじめ屋もいるかもしれないが、サイコパスのいじめ屋は時と場所を選ばない
「人形遣い」
操り屋といじめ屋の要素を組み合わせた行動を取る
周囲の人間を遠くから操り自分の支配下に入れ、支配された人はさらにランクの低い従業員の嫌がらせやいじめに利用される
反抗の気配を感じると、配下の従業員に八つ当たり
・幼少期や児童期からサイコパスの可能性を予測できる
注意欠陥多動性障害と行為障害が組み合わさった時にサイコパスの萌芽が見られる
「操り屋はビジネスや政治で上手く立ちまわるが、いじめ屋は不向き」と考えられてきたが、そうでもない
いじめ屋が管理職につくと権力を思いのまま行使できる、ライバルや部下は「触らぬ神にたたりなし」、幹部役員は現場の動きに疎いので噂を大げさにに言われてるだけとして無視
上級管理職200人の調査、サイコパス3.5%、いじめ屋は二人
サイコパスは長期的な戦略目標を立て努力するのが苦手でむしろ日和見主義だが、話をでっち上げてもっともらしい将来のビジョンを掲げることが出来る
サイコパスの極端な衝動性とスリルを求める傾向は、精力的で行動的で勇敢な態度や複数の業務を同時進行できる手腕と勘違いされやすい
サイコパスの感情の乏しさは上級管理職の条件(厳しい決断、感情的にならない、非常時に冷静でいる)と勘違いされやすい
自分を知ることは、サイコパスが仕掛ける罠への免疫力を高める上で役に立つ
人は自分の欠点や弱みから目を背けたがるものだ、サイコパスはその不安を利用する
手口に乗らないためには、常に批判的な視点と常識的な社交術を忘れないようにすること
人畜無害な社交辞令と、たぶらかすための媚びへつらいの違いは自分自身を客観的に評価できないと気づくのが難しい
自分のつぼや弱みを知っておく、サイコパスはそこを利用する
悩み、不足、苦手意識など
被害者の順序、1誘惑:好奇心が高まり警戒心弱まる、2絆:理想的な関係を築けたと思い込む、3馴れ合い:相手を喜ばせたくて言いなりになる、4自己喪失と自己否定:相手の不幸を自分のせいと思い込む、5虐待:相手の仕打ちに耐える、6気づき:騙されてたと気づく、7恥じる:恥ずかしくて誰にも助けを求められない、8怒りと釈明:相手に報復することで傷を修復
著者は恥ずかしくて誰にも助けを求められない人に対して、「あなたは悪くない、悪いのはサイコパスだ」と言う
そうは言っても、自分を客観視できてなかったという点で落ち度があるんだから、どうしたって恥ずかしいよね
ただ、そうやって恥ずかしさから押し黙ってしまって、サイコパスを野放しにしてしまう、というのはやっぱり良くないけど
追
孫子曰く、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
サイコパスは自分が正常人とは違う種であると認識し、正常人の心理をよく研究している
一方で、正常人はサイコパスについて全然知らないし、自分を客観視出来てないので心理的なつぼや弱みを利用される
こんなんじゃ負けるに決まってるんだよね