・1/3が偽薬効果を起こすと言われるが、偽薬効果を起こす比率にかなりの幅がある
当処は効果的と思われていたが後に放棄された治療法、「極めて良好」「良好」になった人は70%ほど
つまり、特異的効果(物質的にはっきりした効果)を持たない治療を受けた後に、好転した比率は極めて高い
・手術が偽薬効果を引き起こす
手術という経験や傷跡という象徴自体が、痛みを軽減させる大きな要因になる
皮膚切開だけで狭心症が実質的持続的に軽快
試験切開で椎間板ヘルニアが見つからなかった患者、37%が坐骨神経痛を完全に解消、43%が腰痛を完全に解消
手術したフリで治る
腰痛の読書療法ってのがあるけど、手術したフリで治るなら、読書で治っても不思議はない
・2包の偽薬カプセルは、1包と比べ、より明瞭な効果を発揮する
カプセルが大きければ効果も大きいと見られがち
黄色のカプセルは刺激剤や抗鬱剤、白いカプセルは鎮痛剤や麻酔剤と見なされがち
注射は錠剤よりも大きな効果を生みやすい
・偽薬を投与された健康な被験者に有害な事象が発生する確率19%
偽薬はすでに存在する症状を悪化させることもある
電流が頭に流されていると告げられた(実際は流してない)学生の70%が実際に頭痛を訴えた
・偽薬で、胃の収縮が強めることもあれば、弱まることもあった
喘息患者では、気道抵抗が強めることもあれば、弱まることもあった
本当の気管支拡張剤を与えながら、「これは気管支の拡張を起こす」と教示した場合、その逆の教示をした場合の二倍の効果
精神科外来患者の調査では、患者が施療者やその治療に対して肯定的態度を示した場合には、症状の好転が予測されやすい
極めて従順な患者は、従順でない患者と比べて、偽薬によって好転する比率が高いかも(それっぽい研究結果がある、しかし他の要因かも)
・施療者の優しさや思いやり、患者や治療に対する肯定的態度は偽薬の効果に関係する
麻薬性鎮痛剤・偽薬・麻薬拮抗剤のいずれかを投与すると医師が知っている群と偽薬・麻薬拮抗剤しか投与しないと医師が知っている群で、偽薬反応を比較すると、第一群の患者の痛みは有意に小さかった
・ストレスと不安は生理的過程に悪影響
偽薬は不安の強い患者に最も効果が大きいように見えるし、不安に随伴していた苦痛が減少すると言われることも少なくない
偽薬は予期不安を低減させる
しかし、不安の減少が、偽薬効果の起こる原因なのか、それともその要素なのかはっきりしない
・「偽薬」という用語の使用を完全に中止した方が良いという主張がある
自然治癒や平均値への回帰、患者・施療者の期待、患者・施療者の特定の行動(好転の報告など)が影響を及ぼす治療状況の特性、条件付け、不安やリラックス状態など、特異的治療効果以外の様々な影響を調べて、初めて偽薬効果はこれまで以上に理解されるだろう
なるほどねえ
私としては、単なる「引き寄せ効果」と呼ぶことを提唱するよ
誘発中和法とは、食物アレルギーを突き止めるために、「誘発のための食物エキスを皮内に注射することによって症状を発生させ、続いて、同じ食物エキスの希釈溶液を皮内に継続することでその症状を弱めていき、中和量を割り出そうとする」もの
とあるが、よく分からない
誘発中和法 −疑わしい治療法−によれば「中和量の原因物質を毎日注射して、感作された状態から脱出しようという方法」らしい
これを背景に、非盲検的方法でアレルギー反応を起こしたと思われる食べ物エキスとその希釈用液を無作為順に、食物エキス3回、希釈液9回を、患者には食べ物エキスとその希釈用液のどちらを注射しているかはわからない状態で、注射した
結果、誘発された症状はほとんど注射の内容に無関係であった、事実上ランダム
希釈してない濃い食物エキスを注射してもアレルギー反応が弱まったりしたそうだ
誘発中和法は科学的妥当性を欠いているように見える、暗示と偶然の結果と思われる
メニエール病手術(内リンパ嚢シャント形成術)と偽薬手術(乳突削開手術)を比較すると、どちらも有意に好転した
どちらも70%の患者が偽薬効果で改善した可能性が極めて高い
3年に渡る追跡調査でも有意差なし