アラフォー賢者の気ままな引き寄せライフ~第四密度行ったら本気だす~

気ままにスピ雑談、多少は人が見て勉強になりそうなことを書いていく

(本)深層からの回帰―意識のトランスパーソナル・パラダイム スタニスラフ・グロフ、その一

なんかの本で、スタニスラフ・グロフの実験でLSDをやって(幻覚の中で)宇宙人と会ったという人が結構いる、というのを見た

これに興味を持って、スタニスラフ・グロフのLSDに関する本を読みたいと思った

LSD Psychotherapy (1980)」という本があって、おそらくこれかなと思うんだけど、この本は邦訳がない

というわけで、残念

という流れではあるが、私の読書の中で、結構な頻度で「スタニスラフ・グロフ」という名前が挙がってきて、「まあなんかおもしろい事をやってる人だろうから、なんか読んでみるか」と思ったのである

 

スタニスラフ・グロフという人はトランスパーソナル心理学創始者の一人みたいに紹介される

が、私はトランスパーソナル心理学のことを全然知らず、この本がトランスパーソナル心理学に関する初めての読書だ

結論から言うと、非常に優れた本

後書き解説によれば、この本はスタニスラフ・グロフの考え方の全体像を一般向けに書いたものらしい

この全体像をすごく簡単に言えば、「トランスパーソナル>分娩前後のマトリックス>個人史」という風に意識の構造はできているという話

そもそもトランスパーソナルとは、trans‐「超えて、超越して、向こう側の」+personal「個」だから、個を超えるってことだもんね

心理学と名前がついているが、既存の一般的な心理学では全然なく、大いにスピリチュアルな内容である

言ってみれば、ユング心理学の神秘的な部分を大いに増大させたような感じ

 ユングでは、集合的無意識>元型>個人みたいな図式だから、似てるよね

 

で、このような図式からすれば、時間と空間及び物質というのは意識からできているということになる

「まず時間と空間があって、物質があって、それが複雑にからみ合って脳味噌ってのができて、それから意識が発生する」という世間一般常識の唯物論的見解に対して、真っ向から対立する

初っ端からそういうことが論じられているのだが、もうここからして滅茶苦茶に世間からの抵抗に会うこと必至だ

 

1950年代〜60年代、LSD、東洋の哲学・修行法、シャーマニズム神秘主義、体験的な心理療法等への関心が高まった

これらは、今まで西洋文化が無視してきた領域、非日常的意識の領域に焦点を当ててる

 

この本の意識の図式は、ホロトロピック・ブレスワーク(グロフが発明したワーク)サイケデリック・セッション(グロフがやったLSDセッションだろう)、シャーマン儀式、退行催眠、臨死体験、自然発生的な霊的危機等から引用されてできている

なので、ごちゃまぜと言えばごちゃまぜなんだよな

 

グロフは始めフロイト精神分析の道を行くのだが、臨床的に大して役に立たないことに幻滅する

そんな時に、LSD25の試験薬が届けられる

それを試した所、「宇宙意識」体験みたいなのを経験し、それ移行ソッチの方向へ進む

情緒障害の患者、精神衛生の専門家、芸術家、科学者、哲学者等を対象にLSD効果を研究する

LSDが少量だと幼年期少年期の追体験、服用量を増やしたり、セッションを繰り返したりすると古代の霊的文献が述べているのと似た体験をする

心理学的な死と再生、全人類・自然・宇宙との一体感、異文化の神々や悪魔のビジョン、過去生等

そのような体験をした患者は、他の療法で何年も治らなかった症状が消える、というのがよくあった

 

非日常的意識に置いては、当人の無意識からもっとも関連がありもっとも感情的に充電されている素材を自動的に選び出す働きがある

心身を走査し、最も自異様な問題を探しだし、意識層に浮上させるかのようだ

 

感情的身体的な体験の記憶は孤立した断片でなく、複合的な集合体(COEXシステム、とグロフは呼ぶ)として魂に蓄えられている

これは自伝的素材を超え、出生体験、過去生、集合的無意識の元型、他の生命形態や宇宙のプロセスまで達していることもある

 

非日常的意識の研究は、深い細胞レベルで、分娩前後の体験の記憶を蓄えてる証拠を提供した

自分の出産の知識のない人が鉗子の使用、逆子、母親の最初の反応等を再体験

また、分娩前後の体験は集合的無意識の入り口になり、他の時代・文化、動物や神話的人物を追体験したりする

分娩前後の諸現象は、基本的分娩前後のマトリックスBasic Perinatal Matrixと呼ぶ、4パターンで現れる

BPM1は出産の始まる前の子宮内での体験

BPM2は収縮が始まっても子宮口が開いていない時の体験

BPM3は産道を通過する時の体験

BPM4は母親の体から離れる時の体験