総じて、私としては期待はずれでつまらなかった本。
正統アカデミズムの人達、大学なり正統な研究所なりにいる人達が瞑想は本当に心理学的に効果があるのだろうか、ということを研究した本。
結論は、確実に、瞑想という技法そのものに効果がある、とはあんまり言えない、というもの。
この場合、アメリカの研究であり、アメリカでは超越瞑想が超流行ってたので、研究対象が超越瞑想もしくはそれのパクリみたいなマントラ瞑想である。
瞑想に効果があるか、と問うた時に、筋弛緩法とか系統的脱感作とか、もしくは単に座って静かに休むこと等と比較して効果があるか、ということでもある。
そういうのと比べて、はっきりした効果がある、とは未だ言えないってことなのだそうだ。
瞑想は無意味である、ということでもないよ、もちろん。
一応、瞑想してなんか不安が少なくなったとか、パーソナリティがよくなったっぽいね、というデータもある。
でも、それが瞑想じゃなきゃできない、とまでは言えないということ。
おもしろかったという点も触れとこう。
心理療法の補助として瞑想を使って、母親に虐待されていたことを認知できたとか、犠牲者の立場から変換し自己主張するようになったとか、自分の情動に気づけ無い状態から抜けだしたとか・・・、そのような、心理療法をやってくと出てくるような自分の在り方に対する気づき及びパーソナリティの変化が促進されたという臨床例が載っている。
いずれも、元々は心身症や酒・タバコの問題に対する心理療法をやってる中での話。
効果が激しすぎるので、あまり性急にやるべきでない、とも書いてある。
そういうのもあるんだね。